2011年12月16日 金曜日
今日バスで迎えに行くと、お母さん達が「さむ?い!」と肩をすくめて身震いをされていました。しかし、子ども達は風の子。バスに乗るとすぐに「今日も昨日の続きをしよう。」「サッカーしようぜ。」と遊びの予定を話し合っていました。
そして、今日は『地震からの火災発生』の避難訓練を行いました。今回は消防車と起震車、そして消防士さんが5名指導に来てくださり避難する様子を見ていただきました。今まで毎月避難訓練を行っていましたが、子ども達も教師も大きい地震を経験していないということに副園長が気づいて、起震車の体験が必要と呼ぶように手配してくれていたのです。今回の避難訓練にはいくつもの問題点と反省点があがりました。それは、教師の中に、避難訓練が一つの行事のような感覚があり、訓練の為の環境を作ろうとしていたのです。過去に大きな地震を経験している副園長から防災頭巾をイスにかけて日常から着脱の練習をしておくよう指導してもらっていたのですがそれも怠り、ロッカーの上に置いていたままで、今日イスに付けて取りつくろうとしていました。それを察知した副園長から、「子どもの命を守るとはどんなことか、避難訓練はイベントではないこと、通常の保育中に突発的に起きるかも知れないのだから、普段と同じようにやってみなさい。」と注意を受けそのままで進めることになりました。
そして、放送が始まり、「今日は5秒後に地震が起きます。5秒間の間に子ども達は防災頭巾をかぶり、先生はストーブを消し避難通路を確保してください。」と指示がありました。実際の地震では5秒も待ってはくれないのですが、ロッカーの上に防災頭巾を置いてしまっている状況では5秒あっても子ども達に防災頭巾をかぶせて身を守ることはとうてい無理なことでした。そして、地震がおさまり、火災が発生のサイレンがなり、園庭へ避難を始めました。そこでも教師の反省があり、副園長に言わせると信じられない甘さがありました。教師間の連携も取れず必要な場所に教師がいなくて後で消防士さんから厳しい指摘がありました。
そして、避難後に消防士さんに話をしていただきました。子ども達には「『お:おさない か:かけない し:しゃべらない も:もどらない』の約束を守ってください。今日は し:しゃべらないが守れていない子がいたよ。と注意を受けました。後で「今までは良くできました。で終わっていたのですが、私達も実際に東北の震災に行ったことで形ではなくその内容が命を守ることなのだと感じたのです。」と話され、消防士さんたちも自分達の任務について真剣に考えてくださっていることを強く感じました。
それから教師達の水消火器を使った消火訓練をした後、消防車見学と起震車体験を行いました。予定では起震車は年長児数人しか体験できないことになっていたのですが、消防士さんも全員が体験できたほうが良いよね。と言って下さり、特別に全員が体験できることになりました。年中、年長は震度7まで体験し「怖かった。飛ばされるかと思った。」と地震の怖さを感じることができました。年少、プレ年少では震度5までだったのですが震度5で飛ばされそうになっているプレ年少の姿を見て教師達は今までの自分達の考えが甘かったことを痛感させられました。もし今日実際に起震車で体験したような地震が起きていたら子ども達を守ることができていたのかと思うととても怖さを感じてしまいました。避難訓練後の反省会で「教師がいくら頑張っても全員の子どもを守りきれないことがある。その為には子ども達が自分達で身を守れるようになるよう援助し、身に付けさせること」と指導を受けました。もう1度普段からの環境や保育のあり方、避難訓練が実際の場面で生きるものであることをしっかり考えていかなければならないと思いました。
消防車見学では2人の消防士さんが丁寧に子ども達の質問に答えて下さったり、器材を持たせてくださったりしました。ホースの特殊な筒先を持たせてもらい「これを持って消防士さんは火の近くまでいって火を消すんだよ。」と話してもらうと「火の近くまでいって熱くないの?」と年少児のA君が聞きました。すると、「消防士さんも熱いんだよ。だから訓練しているんだ。」と話してくださいました。いつ災害が起きるかわからないことを踏まえていざという時に備え、日々小さなところから身を守る習慣を身に付けさせていきたいと話し合いました。
また、年長児たちは避難訓練終了後、月曜日のおもちつきにむけてお米洗いをしていきました。一粒も落とさないように真剣にすることができていました。