2024年12月5日 木曜日
「じゃじゃーん!」とSくんが通園バックから取り出したのは新聞紙とアルミホイルです。「だって今日、焼き芋できるんでしょ!」と満面の笑みで話していました。そして、バスが到着するとすでに普段はサッカーをしているコートの中心からモクモクと煙が上がり、焼き芋の準備が始まっていました。しかし、大変です。ちょうどその頃園内放送がかかりました。古森先生からです。「今日はみんなが焼き芋がしたいと言っていたので火の準備をしました。が…新聞紙とアルミホイルをまいてくれたお芋がなかなかできません。早くしないと火も消えてしまいます。焼き芋が食べたい人は急いで準備をして下さい。」この放送が流れてからの子ども達の動きの速いこと速いこと!働きアリがいっぱいのように、お芋を洗って、塩水につけて、新聞紙をまいて、アルミホイルをまいて、焼き芋を焼いている所まで流れが出来ていました。
場所を変えて火を起こしている場所では、子ども達の前に教師が古森先生の周りでニヤニヤしています。「火をおこすためには火が息できないとダメなのよ。火は上に上がって来るから、あの木はこっちに置いたほうがいいよ。」と火起こし体験です。私も何年も一緒にやっているのですがやっぱり古森先生にはかないません。そして、先生が火を起こしている周りに子ども達も集まってきます。木を持ち上げるとそこから火が出て拍手喝采、うちわであおいで火が怒ると「キャー!」と口を押えて驚きます。年長児の数人は古森先生に付き添われて火の近くまで近づき落ち葉を入れる経験もできました。
葉っぱと言えばこんな話も「今、桜の木の葉っぱはどこにいったでしょう?」と聞かれると「落ちてしまってる!」と子ども達。「どうして葉っぱが落ちるかっていったらね。これから桜の木はみんなが小学生になる頃にきれいな花を咲かせる為の準備をするんだよ。だから、葉っぱを落として花に栄養が行くように準備するんだって。みんなもこの冬の間にいっぱい食べて体を動かしてお兄さん、お姉さんになる準備をしなくっちゃね。寒いから家から出たくないよ。コタツがいいよ。って言ってる子はいないよね。」と言われると運動会やお店屋さんを経験した年長児は本当に頼もしく「大丈夫!」と答えていました。
そうこうしていると第一弾のお芋が焼けました!そして、三葉幼稚園では恒例の『先生たちのつまみ食い。(笑)』「みんなが先に食べるとおなかが痛くなったらいけないからね」と言いながら嬉しそうに大きな口を開けてパク!子ども達から一斉に「ずるーい!!」「私たちも欲しいー!」と大ブーイング!!それもそのはず、どの先生もめちゃくちゃおいしそうに食べています。しかし、2学期も終わりに近づき色々なものを食べてきた三葉っ子達は知っています。古森先生の前で大きな口を開けて待っています。「食いしん坊な人―?」「はーい!!」と手がいっぱい上がります。三葉っ子(教師含む)はみんな食いしん坊です。口に焼き芋を入れてもらうと思わずほっぺに手を当て「おいしー!!」と幸せな顔をしていました。その後、クラスごとで火の前で焼き芋を頂きました。ちゅうりっぷ組のS君は「先生!ほっぺから煙が出る!」とホクホクしながら食べていました。
そして、今日はこんなラッキーなことも!ある程度焼き芋が終わった後、古森先生が思いつき、アルミだけまいた芋を残り火の中に入れ始めたのです。濡れた新聞紙をまいていないので火加減は難しいのですが、何度も確認しながら焼いたお芋の甘いこと甘いこと!甘さがギューッと詰まった焼き芋になりました。年長児はその後、素焼き(何もまかずに炭で焼いた焼き芋)も食べ、3種類の焼き芋の食べ比べになりました。また、焼き芋の噂を聞きつけた学童保育の三好先生が学童で収穫したかぼちゃを持って来てくれ、バーベキューもしました。今日は一日、焼き芋の日となった三葉幼稚園。今の世の中で火を見ることも熱さを感じることも珍しい時代でこの焼き芋を体験することの重要性を教師一同感じています。今日のような、遊び・実体験があってこその小学校・中学校・高校の学びに繋がって行くのです。今日もそれぞれの子がそれぞれの視点からたくさんの事を感じてくれていると思います。ぜひ、ご家庭でも幼稚園での話を楽しんで聞いてあげてください。
PS,今年は沢山のさつま芋が収穫できたことから来週にもう一度焼き芋をすることが決まりました。「イェーイ!」
子ども達にも再度アルミホイルと新聞紙を持って来るよう言っています。ぜひご協力をお願い致します。子ども達が自分で伝達する力を身につける為に子ども達にお願いしています。もし何も言ってなかったらさりげなく聞いてみてください。