2024年3月16日 土曜日
3月15日土曜日、幼保連携型認定こども園三葉幼稚園の卒園式を執り行いました。お天気にも恵まれて朝から雲一つない青空の下、にこにこで「おっはよ~!」と言いながら、ぴゅーんと部屋に飛び込み、いつもと変わらない笑顔で登園してきた子ども達を見てちょっぴり緊張気味だった教師たちもなんだかとても安心しました。
今週はまさに卒園に向けて…の一週間でした。月曜日の保護者とのクラス別お別れ会を経てぐっと卒園ムードが高まってきた子ども達ですが、数日の間にも三葉っ子らしく、成長していく姿を見せてくれました。練習中、「ちゃんとできるかな?あ!ちがうちがう、それはこう!!」と口うるさく子どもたちを監視する見守る私たちを見かねていつでも子どもたちの味方な古森先生が言いました。「先生、子ども達を信じてあげて。みんな、先生たちがいなくてもできるよね?はい。先生の席じゃなくて、お父さんお母さんの席に座って座って!!」…古森先生に言われたら仕方ないと口を出したくなる気持ちをぐっとこらえて保護者席に座って見守りに徹することにしました。それからというもの、子どもたちは何かあるたびにちらっと私たちの方にアイコンタクトを送り、「ほら見て、わたしたちかっこいいでしょ。できてるでしょ?」と言わんばかりのキラキラした表情になっていきました。その様子を見て私たちは「あ、そうだった。運動会でも発表会でも子どもたちに任せて自分たちでした方がうまくいくんだった。」と、反省しました。そして、水曜日の子どもたちからの私たち担任へのサプライズ。子ども達が担任じゃない先生たちを頼って一生懸命“先生のために!”とプレゼントを作ってくれました。まさに主体的な子どもたちの「遊び」、(ぞう組のRちゃんは作っている最中おふざけが過ぎるお友達に「遊びじゃないんやけん!!」とぷんぷんしていたようですが・・・笑)「学び」で、子どもたちの気持ちがとても嬉しい出来事でした。
練習を重ねるごとにみるみるかっこいい姿を見せてくれるようになった子どもたちですが、練習終わりには古森先生に「今日何点やった~?」と聞くのが日課になっていました。水曜日は70点、木曜日は80点かと思いきや85点、そして昨日、最後の練習ではまさかの100点!?本番の今日はいったい何点をもらえるのかなぁ?そして古森先生と一つのお約束。「卒園式ではみんなにこにこの笑顔を見せてね。古森先生もどきどきするけど、みんなが笑顔でこっちを向いてくれたら古森先生もほっとしてにこにこになるからね。」みんな大きな声で返事をして昨日は降園しました。
きっと今日は子どもたちもお父さん・お母さんたちも早く幼稚園に来たかったのでしょう。集合時間よりもみんな早く登園してきていて、子ども達だけ先に保育室に入るようになりました。三葉幼稚園で一番かっこいい人の証であるみんなお揃いのコサージュをつけてもらい、シール帳に「そつえんしき」のきらきらシールを貼りました。友達同士、襟をジャケットから出したり髪型を鏡で確認したり、そうこうしているうちに写真屋さんやビデオ屋さんがカメラを持って部屋に来てくれました。友達同士、肩を組んで「いえ~い」「こっちも撮って~!!」と、カメラ慣れしている+人懐っこい年長児たちは良い意味で緊張感がなくリラックスした様子でした。くま組にいると階段の方からざわざわと大人の声がたくさん聞こえてきました。「あ。お母さんたち階段あがりよる!」「先生見に行っていい?(お願い、行かないで笑)」…、かっこいい姿を見てもらおうね、と話して入場のため3階に続く階段に並んで待機しました。
ちょうど子どもたちが待機しているとき、会場では子どもたちの一年間の写真のスライドショーがテレビで流れていました。BGMは運動会の鼓笛隊でみんなが頑張った「ぼよよん行進曲」です。明るい音楽に明るい子どもたちの笑顔のはずなのに、お母さんお父さんの目がだんだん潤んでいき、大粒の涙がぽろり。子どもたちの満面の笑顔と、はずむ声って、大人の心にぐっとくるものがありますよね。この動画を作ったり、相談したりしながら担任達も何度も涙しました。三葉っこの笑顔は無邪気で天真爛漫で、感動するほどかわいいのです。そんな大人たちの様子を子どもに話しました。「あのね、お母さん・お父さんたち今、みんなのかわいい写真を見て泣いてるのよ。だから、卒園式でもしっかりかっこいいところ見せて、もっともっと感動のハートをいっぱいにしてあげよう」と話すわたしの顔を見ながら子どもたちは目をいたずらっこのように輝かせてうんうんと頷き、小声で「はい!」と返事をしました。いよいよ入場です。昨日の入場ではお尻をぴょこんと突き出して速足でずんずん歩いていた子どもたちに古森先生が「もっとゆっくりでいいよ。せっかくだからいっぱい見てもらおうね」と声をかけられていたことで、今日は今まで以上に堂々と歩いて入場することができました。S先生はこの時点で目がうるうるだったそうです。
卒園証書授与では古森先生に「おめでとう」と言ってもらって証書を受け取りました。受け取った証書は花道を通ってお父さん、お母さんに渡しに行きます。「3年間ありがとう」「小学校に行っても頑張るね」と感謝の気持ちを伝える子がたくさんいました。
卒園児からの別れの言葉では、今年は意図せずに選んでも12月から3月生まれの子が代表になる率が高く、年少の頃はあんなに泣いていたのに、あんなに甘えんぼだったあの子が、物静かだったあの子がこんなに堂々としゃべっているなんて・・・と周りで見ているプレ年少、年少、年中の頃の担任たちは子ども一人一人の成長ぶりに感動でいっぱいだったそうです。みんなで声をそろえて言う言葉も、最初はなかなかテンポが合わなかったのに、今日はみんな息ぴったり。「きみとぼくのラララ」の歌にあるように「さみしいなんて言わなくてもいいよね、また逢えるね。」です。
お祝いの言葉、お礼の言葉では卒園児のお母さんでもある後援会会長、保護者代表の2名のお母様にお言葉を頂きました。入園したばかりのまだ小さかった頃の思い出、大きくなりいろんな楽しい話をしてくれるようになった我が子、お泊り保育では大人の心配をよそに友達と存分に楽しんで帰ってきたことへの驚き等、気持ちのこもった言葉にわたしも感動しました。さぁ、いよいよ退場!と思った時にIちゃんの「せ~の」に合わせて117人が「ちょっと待ってください!!」
各クラス一人ずつ代表の子が出てきてくれてマイクをもらって説明を始めました。担任の先生にはお別れ会やサプライズでメッセージを書いたりお手紙を書いたりしたけれど、古森先生には何も渡せていないこと、古森先生はいろんなことを教えてくれたこと、古森先生はわたしたちのことが大好きでいつも年長さんと一緒にいてくれたこと、4人が代表して自分の言葉で一生懸命感謝の気持ちを伝えながら渡しました。Sちゃんは「ありがとう」Nちゃんは「これからもよろしくね。病気になったらまた幼稚園来るね」Iちゃんは「幼稚園が大好きになりました。」Hちゃんは「三葉幼稚園の園長先生になってくれてありがとう」。
担任の先生たちが(愛ゆえに!!)怒ったときもいつも味方になってくれて「みんな大丈夫よ。もう!先生たち、怒らないの!」と腕を広げて盾になってくれたこともありました。(笑い話です)そんな古森先生の気持ちは子どもたちにも十分伝わっています。このメッセージカードの中には一人一人の思いが書かれていて「〇〇の方法を教えてくれてありがとう。上手にできたよ。」「いっぱい褒めてくれてありがとう。」「いつも一緒にいてくれてありがとう」「大好き。幼稚園楽しかった」と117人の気持ちが込められていて、それを読んだ私まで嬉しくなりました。サプライズ大成功!
さて退場してからは各クラスの最後の活動です。記念品を渡すととても嬉しそうでした。帰って包み紙を空けた時の子どもたちが目に浮かぶようです。喜んでくれることと思います。大切にしてね。渡しているうちに2階に降りてきた古森先生がひょこっとくま組に顔を出してくれました。「あ!古森先生が来た!」と言う子どもたちに『あ、この子たち、点数のことが気になっているはず!』と思った私が「古森先生に何か聞きたいことはない?」と尋ねてみました。するとさっきメッセージカードを渡したHちゃんがすっと手を挙げて「古森先生、なんで幼稚園の先生になろうと思ったの?」と首をかしげて聞きました。すると「あのね、古森先生は子どもの時とっても恥ずかしがりやで、いつも大人や先生たちから隠れていたの。」それを聞いた子どもも保護者も「えぇ~?!」、わたし正直笑いました。(笑)古森先生が続けて、「本当なの。でね、大人になってお仕事をする時に大人ばっかりのお仕事は恥ずかしくってできないけど、子ども達がいっぱいいて一緒に遊ぶのは得意だから幼稚園の先生になろうと思ったの。あのね、古森先生お仕事続けてきてよかった。だってずっと頑張ってきたからこんなにかわいいみんなと出会うことができたんだからね。お父さん、お母さんこんなにかわいい子を産んでくれてありがとう。三葉幼稚園に来てくれてありがとう」と子どもと保護者にお話をしてくれました。そして今日の卒園式は「100点、100点、100点…」と指を折りながら10回言って「さて何点だ?!」…すかさず子どもたちは「1000点!!」「すご~い!!」とぴょんぴょん飛び跳ねて大喜び。らいおんさん、きりんさん、ぞうさんのお父さんお母さん、今日は1000点だったよ、と伝えてあげてください。上出来すぎます!!
クラスのお話が終わるとみんなで新園舎の見学、写真撮影、お友達や先生とのお別れの時間を楽しみました。大林組さんもいろんなところで声をかけてくださったり、写真を撮ってくださったりしました。新しい園舎ができたら招待するのでみんなで探検しようね。新園舎の前で三々五々、感謝の言葉が飛び交う中で解散です。今日は本当にありがとうございました。
みんなが帰った後、職員で昼食をとる前に、もう一度、ぼよよん行進曲のスライドショーを見返しながら、改めてゆっくり見た小さい頃の担任達が次々にぽろぽろと涙し始めました。この学年の子たちは本当にみんなに愛されて育ってきた子ども達です。そしてこの子たちはその愛情を理解して素直に受け止めることができる子たちです。振り返るとぴよぴよ、保育園、プレ年少から上がってきた子も多く、3年保育の子たちも最後のこあら組(未就園児親子通園)など小さいころから先生たち、お客さんたち、お兄ちゃんお姉ちゃんたちにかわいがられて大きくなってきました。園長の持論である「かわいい、かわいいと育てられた子は本当にかわいい子に育つ」がまさにぴったりの学年です。三葉幼稚園でもらったたくさんの愛情を胸に笑顔で新たな一歩を踏み出してほしいと思います。
卒園式の練習の時に教わりました。「間違えても、2回目、3回目の時に直したらいいんだよ。」「消しゴムで消したら大丈夫!」「間違ったって笑顔でえへへって笑ってたらわかんないよ!」どんなことがあっても強く逞しく三葉っ子らしくいてね。でも、本当に辛くて困ったことがあって笑顔になれなくなった時にはいつでも幼稚園に戻っておいで。楽しい幼稚園に戻って心がリフレッシュしたらまた帰ればいいよ。いつでも、いつまでも三葉幼稚園の先生たちは117人のみんなの応援団です。先生たちに笑顔をありがとう。大好きです。