2022年12月19日 月曜日
今月に入って県内のコロナ感染者が続々と増え始め、園内こそ大流行することはないものの、ちらほらと数件ずつ園にも連絡が入ることが増えてきました。感染者急増のため「やめます!」と言うのはたやすいのですが、三葉幼稚園の考え方は違います。“子ども達の健康と安全、そして楽しい幼稚園生活を送るためにはどうすればいいか?”を考えます。
園長を始め職員で話し合った結果、今回のおもちつきは毎年お手伝いを頼む外部の方たちを呼ばず、園内で、子どもと私たちだけでしよう、ということになりました。そして、お正月があけて県内の感染が落ち着いてきた頃にいつものように盛大におもちつきをする!ということに決まりました。・・・と、いうことは?!今年はなんと!二回もおもちつきができるってこと?!それを聞いた子ども達、「いえ~い!!らっき~!!」小躍りで喜んでいました。
先週末、「月曜日は~?」と聞くと「おもちつき!」「古森先生がころころする?って言ってたよ!」「したいしたい!」「しかもおもちにお芋入れるんだって!」「みんなが掘ったやつ~?!すご~い!!」と楽しみに帰った子ども達でしたが、今日は登園するなり教師が準備する様子を嬉しそうに眺めたり、話しかけたりしながら今か今かとその時が来るのを待っていました。
羽釜からもくもくと湯気が上がってくると、風向きによってはお米が蒸されるいい匂いがしてきます。湯気はあっちに向いて行ってるのにくんくんとどうにか匂おうと鼻を動かす子ども達がかわいくて笑ってしまいました。
そんなことをしていると古森先生が“どうして火が燃えるのか知ってる?”と近くにいた年長児に話をしてくれました。かまどの火がごうごうと燃える様子を見ながら頭にイメージを浮かべて聞く姿が見られました。かまどに入れる木をみっちり詰めて入れても空気の通り道がなくなると燃えないこと、木を組んで空気が上手に通るように火の中に入れないといけないんだよ、とKちゃんやSくん、Hちゃん達の手を使って説明してくれました。おもちつきだからといっておもちつきだけで終わらない、いろんなことに派生していくのが三葉流です。
最初のもち米が蒸しあがってまずは「鏡餅」作りです♪お正月の間、幼稚園と三葉っ子たちを守ってくれる大事な鏡餅です。「ぺったん!」「よいしょ!」と教師が杵を振り下ろすたびに声があちこちで上がります。その声がだんだん一つになり「よいしょ~!」の大合唱!澄んだ空から光が差し込んできてなんとも気持ちの良い光景でした。ついたおもちをもろ蓋に入れると古森先生がすかさずそれを二つに分けてくれてしゅしゅしゅしゅ~っと丸い形にしてくれました。「すごいすご~い!」と喜ぶ子ども達。湯気が出ているほかほかの鏡餅なんて見る機会はめったにありません!「おもちがぷるぷるしとる・・・!」Aちゃんがつぶやいていました。
次は、自分達の番!つきたてほやほやの大きなおもちを古森先生がちぎってくれてみんなに渡してくれます。この“ちぎる”が難しいのです!右手の親指と人差し指でむにっと丸い形を作りちぎるのですが、「芋餅は柔らかくてちぎりやすいのよ」と言われましたが私は上手にできず、そっと古森先生に返しました。他の先生は上手にできていました。(笑)
ほかほかのおもちは本当に柔らかくて気持ちよくてずっと触っていたい気持ちになります。「うわ~!」と嬉しそうになでなでする子どもの姿がたくさん見られました。泥団子づくり名人たちが「くるくるくる~ぺったんぺったんぺったんこ♪」とおもちを丸めて自分の小皿に入れます。それを持ってブルーシートに移動してつきたて丸めたてのおもちをおやつに頂きます!宝物を見るようなキラキラの目をしながら胸に抱えて大事に大事に運びました。ほんわかあたたかいおもちは柔らかくとても甘いのです。「見て~!」と呼ばれて振り返るとびよ~んと伸びたおもちをぱくっと食べる子どもが何人もいました。みんなかわいい笑顔で食べて見せてくれるのでこちらまで嬉しい気持ちになります。そんなことをして笑いながら食べていると「あらお化粧してる子がいるの?お口の周りが粉だらけよ~ふふふ」と古森先生がにこにこ見に来てくれました。らいおん組のKくんがぱたぱたとお化粧する振りをしました。隣を見るとAちゃんのお顔はきなこでいっぱい!二人が顔を見合わせて笑っていました。かわいい瞬間でした。
たんぽぽさんから年長までみんな自分で丸めて自分で頂くことができました。一通り子ども達が丸めて食べ終わると、再び柵の周りに子ども達が集まってきました。すると張り切っちゃうのが三葉の教師集団。「よ~し、先生頑張っちゃおうかな~」と言うと「やったー頑張れ!頑張れ~!」と喜んで応援してくれます。今日は気心が知れた仲間内でのおもちつきだったからか、普段は役員さんやお手伝いの方にお願いする作業も「練習してみよっかな?」と私たちも気軽に参加することができました。丸めるためにちぎったり、手水をしたり、杵でついたり、こうかな?ああかな?とできる先生達に聞きながら楽しんでやっていました。それを楽しそうに応援してくれるのがとても良い雰囲気です。たま~に私たちがつまみ食いをすると「ずる~い!」「おもち泥棒!」とけらけら笑って指摘します。よもぎ餅のおすそわけをもらって満足そうにしていました。
年長児はクラスでじゃんけんやら立候補やらで数名ずつ代表を決めて、おもちをつかしてもらいました。今回はつく予定はなかったので子ども用の杵を出していませんでした。大人用の杵でしたが力強く杵を持ってつく友達を「よいしょよいしょ」と応援しました。
全部つき終わってみんなで集まっておもちつき楽しかったね~と話しました。「おもちつき大成功~!」と自然と拍手が沸く様子に三葉っ子のノリの良さがうかがえます。
給食の時間、おもちをおいしく頂いていると「みんな~雪が降ってきたよ~!」と古森先生が放送で教えてくれました。「みんなのおもちつきが終わるまで雪は待ってくれてたんだね。」とCちゃんがつぶやきました。それを聞いて「空、ありがとう♪」と空に向かって叫んでいました。
今年の三葉っ子の“楽しさ”や“喜び”を見つける力はすごい!例年「あ~疲れた!」の気持ちがちょっぴり残るもちつきが、なんとも楽しいおもちつきになったのは子ども達が盛り上げてくれたからだと思います。運動会は3回したし、おもちつきは2回できるし、ラッキ~☆とるんるんの子ども達。運動会とおもちつきを何度もする幼稚園はうち以外他に無いだろう!と先生たちで話して笑いました。年長児たちが「丸めたし、先生たちぺったんするの見れたし、頑張れ頑張れしたし、幸せ♪」と言ってくれました。その言葉を聞いて私たちも幸せな気持ちになりました。み~んなありがとう。