2022年6月7日 火曜日
今朝、子どもたちが登園すると園庭の真ん中に白いテントがあり、そこには「?」の文字がありました。年少さんが「何が始まるのかな〜?」「はてなになっとるよ!」と言っている横で年長さんがニヤニヤしながら「わたし知ってる!」「去年やったもんね〜おいしかったな〜!」と言っていました。それを耳にした年少さんも「ポテトかな?」と何だか分からないままにワクワクした様子で教師たちが準備しているのを見ていました。
そして始まったフライドポテト作りに子どもたちは釘付けです。教師たちが切っているじゃがいもを見て、「わたしが掘ったじゃがいもかも」「大きいね〜!」とても嬉しそうに話します。「やった~今日はポテトが食べれる日なんだ!」と大喜びする年長児たちですが、今日は生石の畑へビワの収穫へ行く予定になっていました。「ビワの収穫行きたい!でもポテトも食べたい・・・。」年長児の揺れる心…。「帰ってきた時にはフライドポテト残っているかな?」「たんぽぽさんや年少さんが全部食べちゃうんじゃない?」と古森先生から、からかわれて急に不安な顔に…。どうしたら帰ってきた時においしいフライドポテトが食べられるのか考えた年長さんは「おいしいビワ取ってくるから残しといてね」とたんぽぽさんや年少さんの元へ方々走り回り、交渉成立です。安心して年長さんは少しの間ビワの収穫に出掛けていきました。そのお話はまた…
そのあと年少さんと年中さんは、古森先生がポテトを鍋に入れた瞬間、鍋からブクブクブクと大きな音とアブクがわきあがるのをみてビックリ「なんで??となりのお鍋はブクブクしてないよ」と不思議そうにしていました。そこで古森先生が「じゃがいもがたくさん水を吸って大きくなったから油に入れるとお水が空に上がっていくんだよ。この湯気はじゃがいものお水なんだよ」と教えてくれました。その話を聞いた子どもたちは2つの鍋を見比べて「こっちはお水がなくなったんだね」と納得です。そうして完成したフライドポテトは水分が飛んでカリカリのとてもおいしいポテトになりました。
ですが、フライドポテトはただでは食べられません。実は30円と値段がついていたのです。食べるためには、お金とポテトを入れる袋が必要です。それに気付いた子どもたちは「作らなくちゃ!」と大騒ぎです。さくら組とちゅうりっぷ組はテントの下で丸い紙に数字や好きな絵を描いてお金とコップが完成です。
準備のできた子どもたちは先生の店員さんにお金を渡してフライドポテトを買うことができました。
自分で掘って買ったフライドポテトは、どこで食べるポテトよりもおいしくて、「おいしい〜!!!」「うま〜い!」と満面の笑みでした。おかわりのポテトも食べることができ特別な1日になりました。
時間を戻して「ビワの収穫!!」ポテト屋さんを楽しみに出発した子どもたちはやる気満々!バスに乗り込む時も「びわ♪びわ♪」と言うかと思いきや、「♪ポッテト♪ポッテト」・・・今から何をしに行くのやら?と思わず笑ってしまいましたが、仕方ありません。出発前に、園長にポテトのお味見をさせてもらったからなのです。出発前に「いってきま~す!」と声をかけにポテト屋さんの周りのテントに集まっていると、園長が慌てて油の中をかき回し、何やら急いでいるように見えました。園長が少し食べて固さを確かめて「あとちょっと。」とつぶやきました。それを見た子ども達は「ずる~い!」と口々に言いましたが、私が「みんな気が付いていないの?この優しさに!」とふふっと笑いながら声をかけると子ども達はキョトン。すると園長が「古森先生が、先生達で食べてみんなにあげないことってあった?」とにっこり笑って言いました。そこで勘の良い子ども達の表情がぱぁ~っと明るくなり「ない!!!」と口々に言います。そんなやりとりをしているうちに、「これはまだちょっと柔らかいんだけどね~みんなが帰ってくる頃にはもっとおいしいカリンカリンのポテトにしておくからね!」と味見用のポテトをお皿に取ってくれました。こういう時の子ども達は速い!あっという間に整列し、お行儀よくポテトを一口頂いたのでした。アツアツポテトのおかげで子ども達のテンションは最高潮です!バスで生石農園に着いて、さっそく収穫だ!と気合を入れましたが、なんと生石のビワはどうやら空から黒い大きなカラスたちのビワ泥棒が侵入したようで大変なことになっていました。「大変だ!」と急いで綺麗なビワの収穫です。「あそこにもある!」「ここにもあるよ!」とビワの木全体を見渡して、おいしそうなものを探していました。上の方の届かない所は先生たちが、とってくれると知ると「先生!あそこ!」「もうちょっとこっちのやつ!」ととってほしいビワのところを知らせてくれました。
両手いっぱいに美味しそうなビワを持った子どもたちは、「見て!こんなにとれた!」と嬉しそうに見せてくれました。
たくさんとった後は少し味見をしました。きれいにオレンジに染まったものをみんなで分けましたが、少しの量でもとても甘くてみずみずしいビワに子どもたちは大満足!!「あま〜い!」と言ってペロリと食べていました。帰ってからも「あまくておいしいビワがとれました」と胸を張って伝えていました。今日とったビワは明日みんなで分けて食べたいと思います。
帰りのバスに乗ると子ども達が「先生、早く帰らんとK先生にポテト食べられてしまうかも。(行く前にからかわれました笑)」「ねぇ、ちっちゃい子たち、約束覚えとるかな?」「先生、ポテト入れるカップ作ってないやん!食べれんかも!!」・・・さっきまでビワをとっていたとは思えないほど、話題はポテト、ポテト、ポテト・・・。あんなにおいしい味見をさせてもらったのですから期待は高まる一方です。
「ただいま~!」と園内の先生に声をかけ、年長児はお待ちかねのポテト屋さんの時間です。「すごいすご~い!」「やった~!!」大急ぎでカップやお金作りに部屋に入ったと思いきや、光の速さで支度を終え、戸外に出てきました。園長から油とお水の話を教えてもらうと、真剣にうなずいたり、自分なりの考えを答えたり『さすが年長さん!!』の姿でした。
そして、ポテト屋さん最後のお客さんになった年長さんは古森先生の「おかわりいるなら、もう一回お金作っておいでよ。」と2,3人に伝えたささやきが、あっという間に広まってみんなが2回目のポテト屋さんも楽しみました。あまりにも嬉しい2回目のポテトにきりん組のRちゃんは靴を履くのも忘れて裸足で飛び出てきました!その必死さ、子ども達の「おいしい!」の喜びよう、笑顔、歓声・・・何もかもがかわいらしくて、教師達み~んなずっとニコニコしていました。ポテトの味見から始まり、ビワを収穫し食べて、ポテトのお買い物を2回楽しんだ子ども達から「今日は最高の日だね!」という声が聞かれました。