2021年8月1日 日曜日
ひよこ組のテラス前には春に植えた夏野菜のプランターが並んでいます。そこにはひよこ組専用のトマトをもらって並んでいました。ところが本日、葉がしょんぼり下を向き、枯れかかっていることを園長から注意されたのです。思い返すと今日まで幼稚園児たちはトマトを育てるのは自分達だという自覚をもってペットボトルに米のとき汁を大量にかかえて登園してきて、優しくトマトの根元にかけている姿が見られていました。幼稚園児のトマトや植物に対する関心はとても大きいと感じていました。ひよこ組でも幼稚園児の兄弟の子ども達は同じように米のとき汁をかかえて登園する幼児もいました。お陰でトマトは毎日たくさんの実をつけ、日毎に赤くなっていき「今日はもも組、今日はみかん組、今日はれもん組」と日替わりでトマトの収穫をしていきました。
先日もたくさんの赤い実がついていたので「トマト採りに行こう」と声をかけると、朝早く登園していた子ども達が自分で帽子をかぶり、テラスに出て我先にとくつをはいていました。「わぁ~たくさんあるね」とSくんが大興奮。それからみんなで1個ずつトマトを採り始めましたが、保育教諭が用意したお皿では足りません。あわててもう1つお皿を用意しましたが、またまたお皿は山盛りになりました。トマトを収穫して、くつを脱いで部屋に帰ろうとすると、テラスにぞうりが1足残っていました。するとAちゃんが、そっとそのぞうりを持って友達に渡し、自分の履物をくつ箱に片づけていました。2歳児になると、そんな事にも気付けることになるんだなと感動しました。
それから採れたトマトを調理室に持っていき、きれいに洗って給食に出してもらって「おいし~ね~」と味わったのが昨日のように思われますが、実は先日までそんな楽しいトマトとの関わりがあったことも、水遊びが始まると忘れかけていたのです。今日、プランターのトマトが枯れかかっていることを古森先生から注意されたのでした。いつの間にかトマトへの関心が遠のき、葉っぱは茶色に、茎も枯れかかっていたのです。そこで春から子ども達を楽しませてくれたトマトですが、片づけることにしました。保育教諭がトマトの枝をプランターからとり除きビニール袋に詰めていきました。その様子を部屋の中から子ども達が見ていました。すると古森先生が「あら~、かわいそう」とつぶやきました。なんとその袋の中に青い実がいくつもつながってついているトマトも入っていたのです。「あっ」と気づいた保育教諭が青い実のついたトマトの枝を袋から取り出し、茎から折っていきました。「トマトも生きているのよ、ひよこさんにも先生達は教えてあげないといけないわね」と指導を受け、大いに反省しました。そして青い実のまま、ちぎられたトマトの枝をプリンカップやペットボトルに生けることにしました。
すると子ども達はそれを指さしながら不思議そうに見ていました。そして「トマト青いね」とSくんが言いました。「このまま部屋に持っていこう」というと「私も持ちたい」とKちゃんが手を出してきました。Kちゃんは水がこぼれないように、ゆっくり歩きながらお部屋まで持っていきました。トマトの成長と終わり方の大切さを保育教諭は指導されて改めて心配りの足りない事を恥ずかしく思うと共に、子ども達もその中で成長しているのだとつくづく感じました。まだまだ学ばなければならないことがたくさんあると反省した出来事でした。