2020年9月8日 火曜日
先日の台風で園庭には、沢山の枯れ葉や松の木の枝が落ちていました。朝、登園してきた子ども達がそれに気づいて砂場のシャベルや小さい熊手で、集め始めました。見ていると年中児達が男の子チームと女の子チームに分かれ、それぞれの方法で集めていました。男の子チームは、全員がシャベルを使い、「あそこ狙うぞー!」と声をかけ、場所を決めて行く姿があり、女の子チームは集める担当と運ぶ担当に分かれて進めていました。ぱんだ組のEちゃんは松の木が「チクチクする」と言って落ちていた枝を2本両手に持つとそれをお箸にして落ちている松の小枝を大量に挟み始めました。自然物を使って自分で考えてしたいことを実現していく姿に感動しました。
男女チームそれぞれがある程度集まると、先日年長児が松の木を集めて作った鳥の巣の中に入れ「もっと大きい鳥の巣にしよう!」と年長児も加わり運び入れていました。運ぶ子、荷台に入れる子、鳥の巣を整備する子、壊されないように守る子、話し合いは行われませんでしたが、自然に役割に分かれてスタートです。鳥の巣の周りをカバーしていた大型積み木が高くて一輪車の荷台に積んだ松の木をスムーズに入れることが出来ません。すると、りす組のY君が、すっと大型積み木を動かし、荷台が通れる道を作り、トラックの荷台のように傾け、枝を落とし始めたのです。手で持って移すだろうと思って見ていた私は、その発想が当たり前のように浮かんできて効率的に活動している姿に驚くとともに感心しました。
運ばれてきた松の木をふかふかに仕上げ、その上に上がったり、高いところに登り、空に向かって優しい鳥の鳴き声を真似している年長児がいました。「声が大きくなりすぎると驚いちゃう!」と本物の鳥の様子を見ながら呼びかけていたのでした。教師は自然に落ちていた松の木を拾って片付けるのではなく、意図的に自然(台風)がつくった環境を残しておくことで、そこから子ども達は色んな遊びに発展させ、子ども達が遊びから得た知識と新たな発想が合わさり、夢中で遊び、そこからさらに豊かな感性や知性が育っていくのだと思いました。