2020年6月25日 木曜日
今日は、朝から雨! でも・・・・・・
三葉っ子たちは雨の日ならではの楽しい遊びを知っています。
朝早く登園してきたくま組のA君、K君、ぱんだ組のAちゃんたちは、海の家に入りテントの屋根を見上げると魚釣りの釣竿で屋根を突き上げ屋根にたまっている雨水を落とし始めました。
そうです。三葉っ子たちは、溜まった雨水で遊ぶすべを知っているのです。
先週、大雨が降った日に園長がテント下の泥船にたまった雨水を利用して魚釣りやボールすくい遊びができることを教えてくれたのです。予約制にして楽しく遊んだ魚釣りのことをよく覚えていた子どもたちが次々と集まってきて先生たちと一緒にいそいそと準備を始めたのです。雨水がポッタン、ポッタンと落ちてくる場所を見つけてその下にバケツや足洗いの桶、タライなど色々な大きさ、形のものをあちこちに置いていきました。
置いていくうちに「あっ。ここも」「こんなところも」とテントの下だけでなく保育園前の屋根から落ちてくる雨水にも気が付きました。ふと見るとテラスの奥の植え込みの隅にも置いてありました。二階から落ちてくる雨水に気づいたようです。またO君は、「バケツを2個重ねたらたくさんたまるんじゃない?」とつぶやき、それを聞いたK君は 、「う~ん、1個ずつ別の場所に置いたほうがいいと思うよ」などと子ども同士で知恵を出し合い相談している姿をとても微笑ましく思いました。雨に濡れながらせっせと動いて「一番早くたまるバケツはどれかなあ」と言いながらバケツを置いていました。頭を働かせると体はこんなに動くんだなあと本当に感心しました。
そんな時ふと園長が傘を持って来たのです。
こんな時は決まって子ども心に帰り楽しいことを思いつくのです。持ってきた傘を広げると日よけテントに引っ掛けてぶら下げました。雨も土砂降りに近いくらい降り始め、その傘の中にどんどんたまっていきました。そこでくま組のK君と園長先生が傘のひもを引っ張ると『ジャー!』たまった水が流れ落ち、バケツの中へ・・・!?残念!うまく入りませんでした。そんな時くま組は、習字の時間となり続きを見ることができなくなりました。そこで留守の間そこにいたきりん組のR君に見守り隊をお願いすることにしました。ずっと見ていることは大変と表示を作ることにしたR君とK君は「触らないでね」表示をつけておきました。
その見守り時間開始後、少しして、傘がゆらゆらと揺れたかと思うと・・・・水の重みで傾き『バシャ―!!』と自然雨水流水装置・ピタゴラスイッチのような現象が起こりました。一瞬の出来事でした。傘の中の水が滝のようにバケツの中に流れ落ちたのです。その瞬間を目にした子どもたちと先生は驚きと感動で思わず声をあげました。傘に水がたまり始めて30分で水が流れたので「次は9時30分になったらまた見れるかな」と教師がつぶやいたのをを聞いたR君は「9時30分になったら水がながれるよ~」とたんぽぽさんやその周りにいた子たちに知らせに行っていました。
楽しみにしていた子どもたちが次々と集まってきましたがあと少しというところで雨が止み、傘に水がたまらなくなってしまいました。楽しみに大勢集まってきた子どもたちの顔を見て「何とか見せてあげたい」という気持ちが膨らんだO先生は「ちょっと上から水を流していいですか?」と園長に相談!すかさずOKをもらって2階に走っていこうとした瞬間、R君が「先生忘れ物!」と言って雨水の入ったバケツを差し出してくれたのです。なんて頭の回転が速いのだろうと周りにいた教師たちはびっくり!仰天!驚きました。二階から水を流すと・・・・・傘は重くなり自然に傾き水が流れ落ちます。そのたびに「ワ~!!」「キャ~!!」キャと子どもたちは大喜び!歓声があがりました。そんな時、ふと見るとR君の姿がありません。R君はせっせと二階のO先生のところまで雨水のバケツを運んでいたのです。
そしてくま組の習字が終わったころはすっかり雨が上がっていました。いそいそと雨水装置のその後を見に来たくま組さんたちに見守り隊の任務を終えたR君が一生懸命説明し、その後同じように二階から雨水をジョーロで流し自動流水装置をいっとき楽しみました。
雨水装置 (動画)
存分に遊んだ年長さんたちはせっせとそのバケツを片付け始めました。「東京タワーみたい」と言って積み重ねたバケツを4,5にんで運んでいたかと思うと・・・・「いいこと考えた!」と言ってK君たちがまた戻ってきました。そして「明日も続きをするんだ」と言って重ねたバケツを又並べていきました。園長先生に「わからない先生たちが片付けちゃうかも・・」と言われ思いついたのが朝使った柵をひっくり返して置くことでした。ちゃんと見えるように貼り換えていてこれもまた驚きました。それで終わりではありません。K君、R君、Y君の3人で海の家から柵を運んできて四方を囲んでいるではありませんか。もちろん表示も忘れずに「触らないでね」とつけているのです。
今日は、朝から何時間この雨水で遊んだでしょうか。こんなにも雨の日が楽しいなんて♪
三葉幼稚園ならではの遊びです。子どもも教師も一緒になって雨水で遊びました。テントのひもを伝って落ちてくる水をひしゃくで受け止めそれをバケツに入れる子たち。また雨水の落ちる音がバケツの大きさによって違うことに気づいたS君。最後は、入っている水の量によっても違うこともわかりました。すごい!トントン♪ポツポツ♪なんだか雨水たちの音楽隊のようでした。
又、竿でテントの屋根をついて水を落とすことを繰り返していくうちにつくポイントが分かったRちゃん♪楽しくて次々とポイントを見つけては上手に雨水を落としていました。また水を触ってみると「つめたいね~!」と水の温度も感じる子どもたち。生きていくのに必要な知恵は遊びの中から学ぶこと!原始的な生活を体験させたいといつも園長が言っています。まさにこういう遊びの積み重ねなんだと実感し心から子どもたちと一体感を味わいながら遊んだ一日でした。明日は絶対雨になってほしいと願い、明日を楽しみにして帰っていった子どもたちの姿を見て幸せで胸がいっぱいになりました。