2020年2月26日 水曜日
昨日の三輪車のトンネルが楽しくて今日も登園してきた子ども達がワクワクした表情で『今か今か』と待ち構えていました。しかし、昨日と違うことがありました。昨日はカラッと乾いた土だったのですが、昨晩降った雨で園庭はしっとり濡れていたのです。そこで、今日はそっと竹の棒を環境の一部として出しておきました。するとらいおん組のY君ときりん組のR君が真ん中から左右に分かれて、それぞれ線を引いてつなげ、「ここ難しくしよ!」「ここは曲がろう!!」とくねくねあり、デコボコありの道を作りました。「トンネルはこことあっちに置いて!」とY君が提案すると周りの年長児がさっとキャリーや柵を運び教師に手伝ってもらいながらトンネルを作りました。
道ができた時点でさも当たり前かのように三輪車をすいすいこいでいた年少・年中児はトンネルの開通待ちで大行列を作っていました。トンネルが開通してもしばらくその混雑は続き、道路を人が渡れない状況でした。すると、さっきの竹を持ってきて「ここは横断歩道ね。」と線を年長児が引き、それを見た年少児はほっとしたように渡ることができていました。Y君が「信号がなかったらこまるなぁ。」と一言つぶやくとひらめいたように走って小さな赤・青の三角コーンを取って戻ってきました。横断歩道には歩行者用の信号を付けました。しかし、Y君が本当に作りたいのは横に3つ並んだ自動車用の信号です。「ん~」と悩みながらトンネルの天井のイスの上に3つ並べておくと「あっ!わかったわかった!!」と目をキラキラさせながら白い三角コーンを2つ走って取りに行き椅子の上に置いたコーンの3つの内、2つにかぶせました。
『進め』の青のときは黄色と赤に白いコーンをかぶせ見えないようにする、『止まれ』の赤の時には青と黄色を隠す…というアイディアに見ていた教師たちは驚きました。その信号のアイディアはあっという間に広がり、くま組のA君達は信号のチカチカを表現しようとコーンをパタパタ動かすなど新しい発想も生まれました。「あ~ほんとおもしろい!」と大笑いしながら見ているとぞう組のH君が上手に駐車場を描いていました。今日の駐車場は一つ一つが囲まれているタイプです。1台出ると整理して停め直すR君はまるで大街道の駐輪場のおじちゃんのようでまたまた笑いました。どんどん停められていく三輪車の中にストライダーのような2輪車がやってきました。パタンと倒れる2輪車、それをどうにか立てようとするT君とEちゃん。T君がキャリーを持ってきて立てかけるとEちゃんが「私いいもの持ってくる!」と園庭の隅に置いてある重しを持ってきて前後のタイヤの下に置きタイヤ止めとして使いました。見事に立った2輪車を見て「なぜ重しがそこにあることを知ってたんだろう…なぜタイヤ止めのことなんか知ってるんだろう…」と感心しすぎて疑問だらけの教師を尻目に2人は大喜びしていました。しばらくすると、どうしても混雑するトンネルの前後に迂回の為のバイパスも通っていました。暴走車やあおり運転を厳しく取り締まる道路交通隊も出てきました。
次々湧いて出る子ども達のアイディアに教師たちは楽しんで観察していて、時折子どもが必要とする道具を一緒に調達するしか必要とされていないのです。中には子ども達に混ざって三輪車を「キャーキャー」漕いでいる教師もいましたが、昨日の園長の環境作りがきっかけで今日はこんなに発展しました。明日はどうなることでしょう。なにやら子ども達の中にはガソリンスタンドを作りたい。道の駅やお店を作りたいと言う子もいました。子ども達の主体的に遊び、『こうしたい!あぁしたい!』という要求を叶えてあげたいなと思います。