2018年7月18日 水曜日
全国的なニュースとなっている今の猛暑!ここ松山も例年以上に暑さを感じ、職員会でも熱中症対策についての話題も多くなってきています。よくニュースで見るように、「あまり外へ出ないようにしましょう。」とか「エアコンをつけましょう。」といった受身的なことだけが幼稚園の教育ではないように思います。
今朝の事です。テントを出してドームの上に貼っていた教師たちに園長が「あらあら、砂場前の木の影のほうが涼しいのに。」とつぶやきました。それを聞いて、「あっ」と気づいた教師たちは、ドームを木陰に動かしました。三葉幼稚園ではその時の気候や子どもの様子、保育内容によって遊具が動かせるようになっているのです。動かすとすぐに子ども達が寄ってきて涼みながら園庭を見渡していました。
今日は、子どもの動きを意識しながら見ていると、予想通り子ども達が一番集まるのは砂場と砂場奥のアスレチックです。ひつじ組のアウトドア派、K君達は砂場横の影で今日もバーベキューを始めました。アスレチックの台に空いた丸い穴にピッタリの鍋を見つけてきて調理し始め、「夏はバーベキュー!」と盛り上がっていました。そして、砂場では全学年入り混じって海を作っていました。井戸水と藤棚の葉っぱの間からさわやかな風が吹いてとても涼しく、子ども達は生き生きとダイナミックに体を動かして造っていました。途中やってきたⅯちゃんはみんなが作った海に入った瞬間「気持ちイー」と生き返っていました。
そして、水に浮かぶ魚を釣る魚釣りコーナーや、水汲み遊びも人気でした。直接は水に触れない魚釣りも、水があることと風通しのいい場所ということでとても気持ちよく魚釣りを楽しんでいました。遊びの途中、夕涼み会の魚釣りに飾っていた大きな、らんの葉っぱを使って笹舟の作り方を園長に教えてもらい、大政先生が子ども達と競い合って作り、浮かばせるととても涼しげで、それだけで「すっ」と気温が下がったような気持ちになりました。そして、水汲み遊びのところに樋を斜めに立て、そこに笹舟を置いて、上から水を流すとたちまちウォーターシュートになって舟が流れていきました。流し方にも工夫が必要で水の量も調節していました。
事務所横で34℃を指していた温度計を魚釣りのコーナーに持っていくと「温度計や!30から1・2・3・4上やから34」と数人の年長児が興味を持ちました。そして、「事務所の横とここだとどっちが涼しいかな?」と聞くと、「絶対ここ!」とAちゃん、「じゃあこの温度計はどうなるでしょう?」と問題を出すと首をかしげながら「赤いのが下がる?」と少し自信なさそうにSちゃん。「様子を見てみよう」ということになりました。それから違う遊びをしながら時々温度計の様子を見に行っていたSちゃんが「先生!赤いのが下がったよ!」と呼びに来て「30より下になった。」と言いました。温度計は29℃を指していました。温度計は5℃違っていましたが、体感温度はもっと差があるように感じました。
また、いつも水着になる海の家もプールの時間まで場所開放です。新しく買ってくれた磁石のブロックを出して、休憩所になりました。年長児が年少児に使い方を教えながらホッと温まる空間になっていました。
他にもテントによしずやすだれを使って影を作り、フラフープやカラオケも楽しみました。
その後は、お待ちかねのプールです!「プールの準備するよ。」というと「よっしゃー!」と準備が早い早い!暑い日が多く、今年は沢山プールに入れました。日に日に顔をつけることができるようになったり、水が散っても大丈夫になったりできることが増えました。「暑い日はプール!」と「暑い」と「プール」がつながり季語になっている子ども達の感性を嬉しく思いました。
今日は、私が見る限り、三輪車に乗る子どもがほとんどいなく、日の当たる園庭には誰も遊んでいませんでした。自分たちで涼しいところを探して遊ぶことができる三葉っこ!
これからを生きる子ども達!今まで以上に暑い夏を過ごすことになるであろう子ども達。しかし、いつまでも便利な電化製品に頼れるとも限りません。暑さに対して自分たちで判断したり、工夫したりして生きる力を身に付けさせるための遊びの環境を考えたり、工夫したりしていきたいと思いました。