2010年6月10日 木曜日
遅コースの子どもたちが登園して、みんなが園庭に出てきた頃、りす組のT君が、「あ!飛行機雲がある!」と言って、空を見上げました。まぶしい日差しに目を細めながら、手の平で顔をかざして、「ほんとやほんとや!」と口々に言いながら指差している視野に、水しぶきが入ってきました。思わずびっくりして、「うわ!冷たっ!」と、飛び上がった子どもたちです。太陽がじりじりと照り、園庭から暑い空気が上がってくるのに耐え切れなくなった教師が水まきを始めたのです。その水をちょっとでも触りたくて、「キャーキャー。」と言いながら、ホースのまわりにたくさんの子どもが集まってきました。ホースを持った教師と子どもたちの追いかけっこの末、見事に水をかぶってびしょびしょになってしまったAちゃんを見て、まわりの子たちが首をすくめて笑い合っていました。「すぐに乾くからいいもん!」と、手を腰に当てて胸を張るAちゃんの姿は、何だか誇らしげでした。ちゅうりっぷ組のテラスの前にも、くじらの噴水が出され、「僕も私も。」と言って、噴水が上がるのを楽しんでいました。「あっ。虹が見える!!」と気づいたK君の声に、どこだろう…と、いろんな角度からみんながのぞいていました。このようなちょっとした水や科学の触れ合いが、今後の水遊びに、そして『涼を楽しむ』ということにつながっていくのです。
太陽がみんなの真上に来た頃、副園長が「びわが2個残ってるね。」と、ぼそっとつぶやきました。1個はひよこ組さんにあげたのですが、さぁ1個残ってどうしようかと考えながら、りす組に帰って話をすると、「ほしいね。」 「でも1個しかないんよね。」と考えていましたが、とりあえず見に行くことになりました。びわの木の所に行くと、本当に小さなかわいらしいびわの実がちょこんとなっていて、「これは小さいけん全部のクラスで分けっこするのは難しい。」などと言って、うーん、うーん…と考えていると、副園長が「じゃんけんとか、くじびきとかにしたら?」と一言アドバイスをくれました。「そうしよう!」とみんなの意見がまとまりました。代表のM君とYちゃんが園内放送をすると、すぐに年少・年中のクラスの先生と、代表の子どもたちが走ってやってきました。全員が息をのんで静まり返った中、緊張の一瞬。『じゃんけんぽん!』…気になる結果ですが、りす組は残念ながら1回戦敗退。負けてしまいました。でも、最初に『うらみっこなしよ。』という約束をしていたので、悔しい気持ちを抑えて、「うん、うん。」と納得している子どもたちでした。優勝したちゅうりっぷ組のMちゃんが満面の笑みでびわを持っているのを見て、なんだかこちらもにこにこになって、潔く諦めてにっこりすることができました。「涙が出るくらい悔しい!」と言っていたY君に、「今度はいちじくができるからね。」という副園長の言葉を聞いていたT君が、肩をポンポンとたたきながら、「次があるよ。」とさりげなく励ます姿が見られました。びわ1個から始まったこのじゃんけん大会ですが、悔しい気持ちや、嬉しい気持ちなど、いろんな想いを交錯させながら、たくさんの事を学ぶことができました。とても楽しいお昼のひとときでした。
そして、年長は、朝顔の芽が全く出てこない状況が続き、副園長に相談をしました。すると、水がなかったのでは。と教えてくれました。そこで出てきたのは乾いた砂の入った水槽!!実際に子どもたちの目の前で、水がしみ込んでいく様子を見せてもらうと、子どもたちが、あげる量の水では、上の面だけにしか水が行き渡っていませんでした。「上の砂の小人さんだけが水を飲んでいく、下の小人さんまで水がいってないみたい。」と、もう1度水をかけていくと、水槽の周りの土しか水がしみ込みません。4回目にやっと種の所まで水が届いたのでした。今まで毎日あげていた水の量では全く足りなくて、種はほとんど水を吸うことができていなかったことが、分かり、子どもたちも納得してうなづいていました。種から芽と根っこが出て初めて、根っこから栄養をもらうということで、きれいに芽を出した元気な双葉を抜いてみると、しっかり根っこができていました。子どもたちに分かりやすいようにと、「赤ちゃんはお腹すいたらおっぱいちょうだいって自分から行けないよね。でも大きくなったら、お腹すいたと言って冷蔵庫へ行って探して食べるよね。」と、根っこができると、自分でお水を探して土の中から栄養がとれました。今度はたっぷりのお水を、朝顔の種にあげて、水を含んだ鉢に植えることにしました。明日は、子どもたちと土の入れ替えをして、もう1度朝顔の世話をしていきたいと思います。