2024年5月16日 木曜日
年長児と年中ぱんだ組・りす組は朝、みんなが登園し終わった頃に遊びのタイミングを見計らってさんさんらんどから本園に歩いて上がっています。今日は風が強く、そんな強い風も楽しんでいた子ども達でしたが“早く新しい幼稚園に上がりたい!!”という気持ちがいっぱいで、10時前に本園に上がることにしました。
新園舎建て替え工事の間、ずっと門の前にガードマンさんが立ってくれていて、子どもたちはいつも園外から本園に帰ってきた時にまずガードマンさんに「ただいま帰りました!」「おはようございます!」と大きな声で挨拶をするのが日課になっていました。ですが、今日、本園に戻ると、ぱんだ組のKちゃんが「あれぇ。工事のおじちゃん立ってないねぇ。」と、ぽつり。すると近くにいたRくんが「昨日古森先生が工事のおじちゃん達とは今日でお別れだよって言ってた。だからもういないんじゃない?」と答えました。そんな子どもたちの会話を聞きながら、工事に携わってくれていた人たちが、私たちと一緒に子どもを見守って大切にしてくれていたこと、子どもたちに心も体もいろんな経験をさせてくれていたことを改めて感じました。昨日、大林組さんから園長へ鍵の引き渡しがありました。その時に大林組さんが「この現場はどこよりも楽しかった。ガラス越しにじゃんけんをしてくれた子もいた。おじちゃんありがとう、おじちゃん頑張ってねといろんな子が言ってくれて、こんなに嬉しいことはなかった。」と話してくれました。毎日三葉っ子たちの歓声と「ありがとう」、そしていっぱいの笑顔に工事のおじちゃんたちも徐々に柔らかくなっていくのがこの数カ月、目に見えてわかるようでしたが、それもこれも人懐っこい三葉っ子パワーのおかげだなと思います。
工事が始まった頃は重機の大きな音に困ったこともありましたが、ガードマンさんもいない、工事のおじちゃんたちの朝の日課ラジオ体操もない、ガラス越しに手を振るおじちゃん達もいない幼稚園が、今日はなんだかちょっぴりさみしく感じました。でも!感傷に浸っているのは私だけで、子どもたちはいつも通り幼稚園に帰って事務所の人たちに「たっだいま~!!」と挨拶をして、「立って脱ぐっ♪立って脱ぐっ♪」と言いながら最近始めた“立って靴を脱ぐ練習”をしてばたばたばた~と保育室へ入っていきました。
そんな子どもたちを見て古森先生が「あらあら。今日は市の人が検査に来てるのよ~大暴れしてたらいけないわ~」と言いました。「あ!そうだった!」と気を取り直して各クラス活動です。ぱんだ組の部屋の出窓から新園舎が見えます。時折、そこから検査をしている方たちが見えて「あ!お利口さんにしとかんといかん!新しい幼稚園行きたいもん!!」と背筋を伸ばす子、古森先生や事務所の本山さんが見える度に、にこ~っと笑って手を振る子、みんなアルバム整理どころではありません。(笑)しばらくすると古森先生が2階に来て「検査が終わったからみんな新しい幼稚園に行ってもいいんだけど~…」と言いかけた側から「行きたい!」「やった~!!」とダッシュで行こうとする子どもたち!「みんな、自分の荷物をまとめているのね?それも窓の方にきれいに寄せておいたら持って行っていいよ」と言ってくれました!子どもたちの興奮は最高潮。いよいよ新園舎へのお引越しの始まりです!
新しいお部屋に通園バッグを持っていくことにしました。少しでも興奮を抑えようと「かっこよく歩いて行こうね」と声をかけていたのですが、最初こそ「♪かっこよっくあっるくっ♪かっこよっくあっるくっ」と口ずさんでいたものの、数歩で「くふふふふ…!!」と喜びがおさえられません!お部屋に一歩、足を踏み入れて通園バッグを置くと、体が勝手に走ってしまうのです。まだ家具が何も入っていない2部屋続きの保育室はとても広く恰好の遊び場です。そんな子ども達を見かねて「ここはりす組さんと一緒に使うお部屋なんだよ~ぱんださんだけが大暴れしていたらだめなんだよ~」と話しましたが、もう喜びでいっぱいの子どもたちは話そっちのけで天井のライトやすべすべの床の模様、あちらこちらをきょろきょろ見回していました。
一方年長組の保育室がある2階では、新園舎探検を済ませた年長児たちが一部屋に集まっていました。そこで古森先生にお話をしてもらっていました。「ここはお隣のクラスのお友達と一緒に使う部屋なんだけど、“ここは〇組!あなたはあっち行って!”って仲良ししないんだっけ?」と聞かれました。当然「そんなのだめ~!」と答えた子どもたち。「こっちのブロックだけで遊んでいたら小さい物しか作れなくてもお隣と仲良しして一緒に合わせて遊んだらいろんな大きい物が作れるよね。仲良しで遊んだらいいことがたくさんあるんだよ」と教えてもらいました。そしてもう一つ。「立つ鳥跡を濁さず」水鳥が新しい水辺へ飛び立つ時に、水面が濁っておらず元のように美しかったという話から、「みんなお部屋のお掃除はしてるのかな?」と聞かれました。お引越しするときには前にいたお部屋をぴかぴかにしてから行こうねと約束して、年長児は早速大掃除を始めていました。いよいよ、この一年、待ちわびていた新園舎の完成、そしてお引越しです!こんなチャンスはめったにありません!何もかもを業者さんにお願いして、週があけたらすべて完成、はいできた♪ではありません。今しかできないことを存分に経験して、その経験と気持ちをもって新しい園舎での生活を始めたいと思います。
今日、ぱんだ組の子どもたちと私の荷物がどれだけあるかを確認してみました。Iくんが「先生の荷物100かな、いや1000かもしれん。」と首をかしげながら言っていました。みんなで力を合わせてお引越し楽しもうね♪みんなよろしくね~!
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