2023年6月9日 金曜日
雨上がりの三葉幼稚園の園庭は子どもたちにとってとても魅力的な遊び場。大きな水たまりがあちこちにできていて、子どもたちは戸外に出ようと靴を持ってテラスに出たものの、くるっときびすを返し、靴を靴箱にしまって裸足で出てきます。わたしが小学生の時、水たまりができた日は校庭に柵がされていて遊べなかった記憶があります。大きくなるとともに増える水たまりへの抵抗感。だからこそ三葉っ子には今しかできない、今だから思いっきり楽しめる環境でたくさんの経験をさせてあげたいなと思いながらほほえましく見ています。
そんな中ふと見ると、年中児が丸山先生とトマトのプランターをお日様がより当たるところへお引越しさせてくれていました。きゃっきゃと荷台を押す子どもたちに「ありがとう」と声をかけ見送るとそのお尻には、ぺったんと泥んこのスタンプ。あまりにもかわいい後ろ姿につい「お願い!写真撮らせて!」とお願いしてしまいました。
今日は年長児は松山市移動図書館椿号の絵本の貸し出しがありました。幼稚園の工事に伴って、安全のため団地の横道に入る部分をすべて封鎖しています。団地の方にはご迷惑おかけしております。椿号の絵本貸し出しは団地の中の広場で行うのですが、バリケードがあるので今日はぐるっと回っていつもと違う道を歩いていきました。普段と違うちょっぴり遠回りな道も子どもたちにとっては楽しいお散歩です。行きの道では、信号待ちをしているお仕事中のお姉さんとお兄さんの車が歩道を歩いている子どもたちの横に停まりました。お兄さんが「かわいい」とつぶやくと子どもたちは三葉っ子スマイルでにこにこ「ばいば~い!」と手を振りました。すると運転席のお姉さんが手をぐんと伸ばして手を振ってくれました。又、しばらく歩いて行くと、郵便ポストがありました。ちょうど、作品展に向けて作品作りを進めている子どもたちですが、くま組のSくんはポストを作っているのです!「Sくんほらポストあったよ!」と声をかけると「うわ~!ほんとや!」と手で感触を確かめたり、鍵穴を見つけて「鍵あるんだ!」と発見したりラッキーな出来事もありました。「初めて通る道やねぇ。」「なんかわくわくするねぇ」とらいおん組からかわいいつぶやきも聞かれました。普段の貸し出しの時よりゆっくり到着したので、いつもは借りたらすぐに園に帰るのですが、今日初めてみんなで椿号のお見送りをすることができました。本棚のドアをぱたんぱたんと閉めると、かわいい本のイラストが描かれていました。「うわ~!本がいっぱいや!」と数台在る内の一台をまじまじと見ることができてこれまたラッキー!
帰りの道中、カンカンと踏切の音が遠くから聞こえてきたので歩道で立ち止まって電車が来るのを見ていました。ガタンガタンと通る電車に「お~い!!」とぴょんぴょん飛び跳ねながら手を振っていると「ばいばいしてくれた!」と口々に子どもが言い出しました。後ろの車掌さんが女性だったのですが、にこにこしながら手を振り返してくれたそうです。わたしは動体視力が追い付かず見落としました(笑) いつもと違う道を通るだけでいろんな発見や出会いがあるものだな、不便すら楽しめる子どもたちって素敵だな、と子どもたちと過ごす時間っておもしろいなぁと改めて思ったお散歩・絵本貸し出しでした♪
園舎解体の工事が着々と進んでいます。高いところに上って足場を組むお兄さんを憧れのまなざしで見ている子がたくさんいます。そんな足場の周りに今日は防音シートが張られました。そして子どもたちの安全のために園舎から離れたところに高い防護壁を作ってくれているのですが、その壁を作ると聞いた時の工事の方と園長の会話をご紹介します。
工事の方①「建てるのは真っ白の壁でね、子どもたちのためになんかかわいい物にでもした方がいいんやろか?」
古森先生「あ~大丈夫ですよ。うちの子たちここにお絵描きしますから!」
工事の方①「え!?お絵描き?」
工事の方②「そうそう。そうなんよ。古森先生なんでも教材にして遊ぶからね!わかった!発注しとくよ!」
・・・なんと!壁にお絵描きができるように古森先生がお願いしてくれたのです!工事の方がそのために一日がかりで壁にシートのようなカバーをぴんと張ってつけてくれて準備万端です!そこに一昨日、古森先生が夕方来てかわいい子ブタちゃんを描いていました。気付いた子も気付いていなかった子もいましたが、「お絵描きしていいの?ほんと?」と半分わたしの言うことを???と思っていた子も古森先生の子ブタちゃんを見て「ほんとやったんやねぇ」とぽつり。疑われていたのかと笑ってしまいました。今日は子ども会議ならぬクラス会議をしました。
子ども11人、手を伸ばしても届かないほど広いこのスペースに何を描こうか早速壁の前で相談です。迷路を描いたらいいんじゃないか、くま組だからくまちゃんがいい、いやぼくはぞうが描きたい・・・などなどいろんな意見が出ましたが結論「くまの親子」を描くことに決まりました。
でもくまがどこにいるのか、何をしているところを描くのか、意見が様々すぎてなかなか決まりません。じゃあ、お部屋に帰ってグループにわかれて相談しながら意見を出し合ってデザイン案を考えてみよう!ということになりました。部屋に帰ると早速話し合いスタートです。なんとな~くのイメージのすり合わせで描き始めるグループ、描きながら「あぁでもないこうでもない」と会話の中で成り立っていくグループ、身振り手振りで「こんなポーズのくまちゃんにしたい」と友達に提案するグループ、友達のアイデア一つひとつに「Aちゃんそれいいね!」「Bくんそれっていい考えだね!」と認めて素直に褒めることができるグループ、かと思えばクレヨンを手に取り首をかしげているグループ。どうしたの?と聞くと「くまちゃんの茶色をどの茶色にするかで話し合ってるの」と言いました。「同じ色にしてもいいし、違う色でもいいかもしれないよ?」と声をかけると「そっか!」とまた話し合い、大人のくまはこの色、子どものくまはこの色、と種類わけすることになったようでした。大きな紙に向かう子どもたちから「このくまは魚をとってる」「りんごが好きなくまちゃんなんだよね~」「このくま、友達のくまの足が当たっているなぁ、でも怒らないよ優しいくまだから!」・・・といろんなストーリーが聞こえてきました。この子たちはこんなにいろんなイメージがわいてきてそれを言葉にする力があるんだなと気づきました。集めていくと絵本になりそうな子どもたちのつぶやき、かわいいな、と思っているとどこからか「♪おーやまーににあ~めが降りました~」と鼻歌が聞こえてきました。BGMまであるの!と子どもたちの発想の豊かさに驚きです。
楽しい時間はあっという間!今日の話し合いは来週に持ち越しです!他の学年もいくつかのスペースをもらって活動する予定です。作品展でお披露目できたらいいなと思っています。お楽しみに。
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