2023年5月16日 火曜日
33年前に「人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ」(ロバート・フルガム著)という本が流行しましたが、三葉幼稚園の砂場は、本当にそのものではないかと思うことが今日もありました。
朝早くから登園してきている子ども達が砂場で穴を掘り、そこに水を入れ、素足になって、水や砂の感触を楽しんでいました。その横で年中のR君が穴を掘ると、高低を考えて坂道を掘って繋げました。1つのあなに水を流すと自然と低い方の穴に水が流れ込んでいました。それを見た、横で穴を掘り、そこに水を入れて、裸足になって楽しんでいたK君が入ってきました。それを見たR君は「いいんよ K君だから」と言っているうちに、楽しそうと感じた他のクラスの子が2人入って来て、穴が潰れそうになりました。「やめて」と何度も訴えても、やめないので、諦めたR君とK君は砂場のあいている別の所に行って、再び穴を掘り始めました。すると最初に穴を掘っていた子ども達が「何でK君はそっちへ行くんよ もう遊ばん」と怒り始めました。年中児なのにきちんと友達に思いを伝えられたことを認めながらも、「一緒に遊べなくなったら 楽しいかどうか」聞いてみると、「ううん」と首を横に振りました。では「どうしたら楽しくなるかなぁ?」と声をかけると、「一緒にしたらいいんよ」と答えが返ってきました。「本当だね」と声をかけると穴と穴を川を作って繋ぎ始めました。
繋ぎ終わると、砂場の横にある水道の蛇口にホースを繋げて、水を流し始めました。水が沢山流れてくることに気付くと、青のすのこの板を持って来て、上手に流れる川の上にかけて、「橋が出来たよ」と声をかけてきました。川には船があることを思い出した子が、プラスチックの容器等を持って来て、その川の流れにのせて、容器の船が流れていくのを見ていました。それを見たM君は「ここを掘るね」と掘っていると、他の子が「僕はここ」と言って掘っていき、自然と川が蛇行して長く長くなっていきました。そして水が流れるように掘っていくと、そこにその流れにそって、水が吸い込まれるように流れていっていました。
その近くでは年長児達が高低をつけた上にトイを置いて、水を流すと水がはじいたり、水が流れていって落ちる様子を見たり、工夫しながら楽しんでいました。その中に異年齢の子が入っても怒ることなく、自然と一緒に遊んでいます。この経験が年中児の時からの遊びの中にも沢山蓄えられていて、こういう時に活かされていくのだと思いました。それだけでなく友達とのかかわり、思いを伝えること、駄目な時はどうしたらいいか考えて、解決していくなど、本当に人生に必要な多くの事を、この砂場という空間で学んでいるのだと思いました。また明日は、どんなことがおこるかとても楽しみです。
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