2019年12月5日 木曜日
今日、年中組は秀野邸にある農園に出かけて、玉ねぎの苗を植えました。子どもたちが集まると、古森先生が「ゴリラさんがね~」と話始めました。何でゴリラ?!と思いながら聞いていると、「皮むいて皮むいて、なくなっちゃったのは何でしょう?」とクイズを出してくれました。子どもたちは、元気よく「たまねぎ~!」と答えました。これから植えるのは玉ねぎとわかると、苗を見せて玉ねぎの赤ちゃんで、大きくなると”ねぎぼうず”という子どももできるんだよと話してくれました。そして、みんなが知っている玉ねぎは、白い根の所が大きくなってこんなふうになるんだよと本物の玉ねぎも見せて説明してもらいました。玉ねぎは、ねぎの仲間だけど、ねぎと玉ねぎは違うということも子どもたちは知ることができました。玉ねぎの苗と普通のねぎを両方見せて、「どこが違うでしょう?」とまたまたクイズです。「根っこの長さが違う」と答えた子がいてびっくりしました。もう一つあるけど、何かなと考えていると、りす組のOくんが「いろちがい」と答えました。お味噌汁に入れるねぎは、これで出来上がりだけど、玉ねぎの赤ちゃんはこれから大きくなるから、「(年中)りす組さんの帽子の色(きみどり)みたい。ねぎは(年長)きりん組さんの色(みどり)だね。」と子どもたちの身近なものに例えて話して下さいました。
次に植え方です。畑の畝には、子どものこぶし二つ分くらいの間隔で、植える位置を示してあります。もし、間を開けないで植えるとどうなるでしょう?古森先生の右に左にと次々に先生がくっついていきました。「わあ~、ギュウギュウだよ~大きくなりたいのになれないよ~」と玉ねぎが困っている姿を実演しました。先生が順に離れ、間が開くと「あ~よかった大きくなれる」とほっとした表情で言うと、子どもたちもにっこり笑顔になりました。苗を土の上に寝かせると、「みんなが寝るときみたいにね。」「寝ただけじゃ、どうかな?」子どもたちは「ふとんかける」と言い、「そう、これがお布団だよ」と土をやさしくかけて「おやすみなさい」と声をかけながら、苗の植え方を教えてもらいました。そして、玉ねぎの苗は自分で起きてくるのです。古森先生が、「朝、自分で起きる人~」と子どもたちに聞くと、あまり手が挙がりません。「玉ねぎの方がえらいね~。本当に自然の力は不思議です。
古森先生のお話は、子どもたちによく伝わります。大人に説明するように、手順だけを伝えるのは簡単です。まだ、4~5歳の子どもたちが、今から自分が何をしようとしているのかを知り、その扱うものについて知ること、やがて自分達の口に入る食物が、そのように育つのかを知ることは、とても大切なことだと思います。子どもたちに身近なことから、親しみのあることから話すことで、子どもたちもどんどん話に引き込まれていきます。心に残る体験は、この大切なお話があってこそだなと思いました。
そうして、一人五本の苗を近くに咲いていた菜の花を区切りの目印にしながら植えていきました。もう一つ、楽しい体験をしました。秀野邸の周りには、茶色いじゅうたんのように、ものすごい量のどんぐりが落ちていました。みんな一斉に拾い始め、ポケットはすぐにいっぱいになりました。あんまりたくさん落ちているので、どんぐりでころっと滑って転んでしまう子もいました。まさに”どんぐりころころ”です。「あった、あった」といくつ拾ってもなくなりません。古森先生が大きなシランの葉を曲げて、小枝で止めておたまのようなものを作ると、近くにいた子は、そこにどんぐりを入れて遊び始めました。自然に親しみ、思う存分遊ぶこの経験こそが、これからの子どもたちの見えない力となっていくことでしょう。私たち教師がそれを見失うことなく、大切に思い、気付き、子どもと共に楽しんでいくことが一番大切だなと感じました。
コメント (玉ねぎ植えをしたよ りす組 佐々木 恵 はコメントを受け付けていません)