2013年6月6日 木曜日
年長児が毎日水やりをして世話をしていた駐車場の畑のきゅうりが食べごろになっていました。そのことに2・3日前から気が付いていた副園長は、年長児達が気付くのを毎日待っていました。気付かない子ども達と、気付かせない教師にとった手段は、そのことに気が付いた年中と年少の教師と子どもが収穫するという方法でした。それでも年長児からは、あまり反応が返ってこなかったのです。これではいけないと感じた教師達は、子ども達に気付いてほしいと思いながら声を掛けました。それでも、「虫が食べたのかな?」「また植えたらいいやん」という何とも思い入れのない表情と言葉が返ってきたのです。そこで副園長が、みんなで一生懸命毎日水やりをしていたこと、きゅうりもみんなにとってもらって食べて欲しかったこと、このきゅうりの代わりはないこと等を分かるように話してくれました。やっと様子がつかめた子ども達は、眼科検診から帰ると走って年少・年中の部屋に行きました。「私達が育てたきゅうりが採られたんですけど誰か知りませんか?」と言うと、年中の教師が「私達が採ってしまいました。ごめんなさい」と、言いました。すると、「年長さんが世話をしているので、次は私達が採ります。採ったら、みんなで分けて食べたいです。」と、自分の思いを一生懸命伝えました。その後、畑がどうなっているか見に行くと、1本だけ大きなきゅうりが残っていました。それを見た子ども達は、みんなが「あった!!大きいきゅうりあるよ!!」と、指を差して嬉しそうに話していました。すぐに副園長に報告すると「みんなのために1本だけ神様が残してくれとったんやね?それを採っておいでよ」と言われ、子ども達と教師と飛び上がって大喜びでハサミを持って採りにいきました。「採ったきゅうりは、今日みんなで分けて食べようか!!あっ!!それと、みんながじゃがいもを植えた畑で育ててくれたなすびを、今日山本さんが持ってきてくれたから、それも分けて食べようか!!」と言ってくれました。それを聞いた子ども達は、急いで昼食を食べにいきました。
そして、まだ眼科検診から帰ってきてないきりん組さんとぞう組さん、他のクラスにも分かるように放送もしたらいいよと言ってくれたので、クラスから一人ずつ代表で放送をしました。「年長さんが世話をしたきゅうりをみんなで分けて食べるので、13時には外に出てください」と、放送をしました。
すると、どのクラスも遅れることなく集まってきました。副園長がみんなの前で、包丁で全員分切って分けてくれました。塩を振りかけたきゅうりとなすびをクラスに分けて食べると、くじら組では、「めちゃくちゃおいしい!!」と言ったり、帰りのバスに中では、「今日のなすびときゅうりおいしかったんよ、でもお家にはこんなにおいしいなすびはないんよ」と、しきりに話していました。
今年の年長の課題は、自分の思いを言葉にしてすぐに伝えたり、表現したりすることと、主体的に行動できるようになることだと感じています。もし自分がいじめられても言えない、他人が困っていても手助けできない、誰かに背中を押してもらって始めて動く子どもの姿に、もうひとつ自信を持ってほしいと思うのです。
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