2021年2月19日 金曜日
園の駐車場の菜の花が次々と開き、スイセンも美しく咲き始めました。水やりをしていると、テントウムシを発見し、虫たちも春を感じているのかなと思いました。
花壇に咲いた花の花殻を摘んでいると、「先生、何しよん?」とさくら組の子どもたちが集まってきました。もう咲き終わった花を取って、また次の花がきれいに咲くようにしていることを話し、花殻を手のひらにのせてあげました。たくさん摘んだので、包丁ままごとのコーナーに持って行き、お料理作りが始まりました。じゃがいもを切って、その上にピンクの花を散らしてみたり、大根の葉と混ぜてみたりと自分なりに考えた料理が、どんどん出来上がっていきました。かぼちゃのオレンジ色、ブロッコリーの緑、じゃがいものクリーム色、その中にピンク色の花も入っていて、子どもたちが考える色のバランスを見ていると、その素敵な感性に驚かされました。
大きなリンゴが1個あって、それを半分に切ったIくんは、Aくんにもう半分を分けてあげました。「種がある!」と気づき、「種を土に埋めたらどうなるかな?」と周りの子にも問いかけると、今までの経験を思い出して、Rちゃんが「大きくなる」」と答えました。そのリンゴもあっという間に小さく切り分けられ、「ちょうだい」「いいよ」と友達と分け合って遊んでいました。
戸外遊びでは、ジャングルジムの一番上まで登れるようになったよ。つりかんが、端から端までできるようになったよ。縄跳びがとべたよ。と、どんどんできることが増えてきました。
降園前、今日遊んだことを振り返って話していると、「三輪車を取られた」という話が出ました。自分が使いたい時はどうすればよいのか、貸してもらえない時はどうするか、聞いていくと、「かしてって言う」「ダメって言われたら、ジャングルジムで遊びよって、おらんなったら使う」「あきらめて他のことして遊ぶ」といろいろな意見が出ました。友達とのかかわりの中で、多くのことが育っていると感じました。
さて、今日は、楽しいくじびき大会がありました。保育園の山岡先生が、甘平と紅まどんなを持ってきてくれました。幼稚園の15クラスと保育園の3クラス分で分けると、1クラス4個になりました。10個余ったので、園長先生に相談すると、「くじびき」と提案してもらい、先日の座席のくじびきと繋がった年中児達が、早速くじを作って、園内放送で各クラスに呼びかけました。そして、10時、各クラスの代表の子がやってきて引きました。「あたり」のクラスは、大喜びで「はずれ」のクラスの子は、分けてくれそうな人を探して、「分けてください」とお願いして半分こしてもらい、みんな仲良く食べました。とっても甘くておいしかったです。
また、ひつじ組のHくんのお母さんが、発泡スチロールの箱、3箱に雪をいっぱいにつめて持って来てくださいました。Hくんのおばあちゃんが住む久万の雪です。Hくんが、幼稚園の友達と雪で遊びたいと言ったのだそうです。今年は、年長児の雪遊びもコロナで中止になり、沢山の雪に触れる機会がなかったので、その雪で全園児が大喜びで遊んでいました。小さな雪だるまを作り、台の上に乗せていた、りす組のKちゃんは、雪だるまがコロンと倒れたので、「寝ころび雪だるま」と名前をつけていました。年少児も「冷たい!」「かたい!」と言いながら、手を伸ばして触れ、雪の感触を楽しんでいました。ひまわり組のA先生が、子どもたちの頭の上の方から、パラパラと雪を降らせると「キャー!」と喜んでいました。ぱんだ組の子は、「雪と雪がくっつくよ」「ギュってしたら固まる」と気づいたことを話していました。
子どもたちは、園だけで生活しているようで、周りにいる人や社会一般の人々に見守られ、育てられていることを改めて実感しました。
2021年1月22日 金曜日
伊予柑がりに行ってから、毎日伊予柑を食べて元気いっぱいの子ども達です。最近は、長なわとびに夢中になる子が多くなり、特に年長さんは、列に並んで順番を待っています。友だちが、「1、2、3…」と数を数えて、何回跳べたか、競い合うようすを見て、年少さんも別の縄の前に列をつくり、ゆっくりとジャンプして、1回でも跳べると、「やった!」と大喜びしていました。また、年長児は、個人縄跳びにも挑戦して、「いーち、にーい」とリズムをとってジャンプしていました。年少さんは、その縄自体の使い方がわからないという事があり、ロープのように引っ張ったり、何かに巻きつけて遊んだりしていたので、「おいで!こうするんよ」と誘い、両手で持って、「回してピョン」「回してピョン」と教師が実際にやって見せて、声をかけていくと、少しずつコツをつかみ、友だち同士で挑戦するようになってきました。いろんな遊び道具があっても、正しい使い方を指導しないと、プラスになるはずが、マイナスになるのではないかと感じました。
みかん王国えひめの子ども達なのに、伊予柑の食べ方がわからなくて、多くの子がかぶりついていました。1個の大きな伊予柑の皮をむくと、9房くらい入っています。1つを3人分にして、3房ずつ子どもに渡す事を古森先生が提案してくださった事には理由があり、まず、3つの房を1つずつ外すこと、そして、薄皮をむいて中身を出して食べること、その中に手先を使う要素がしっかりと入っているのです。わざわざ手先を使うための道具を買わなくても、自然の中で生活しながら、人は成長していけるのだと思いました。
また、食べ物には、それに応じた食べ方というのがあり、普通のみかんは丸ごとでもいいけど、伊予柑はそうではない。果物に限らず、どんな料理にも作ってくれた人の心があり、「こんな風に食べて欲しい」という思いがあります。そのことを忘れないでいて欲しいと、古森先生から教師たちは教えられました。子ども達が、「社会に出て、生きていける人に」という願いを忘れずにいたいと思いました。
2020年10月14日 水曜日
今朝、登園してきた子どもたちが口々に「おべんとう、もってきたよ!」「パパがつくってくれたんよ」等と嬉しそうに言っていました。久しぶりの家庭弁当日で、いつもより重たいカバンでしたが、子どもたちは大事そうにロッカーに片付けていました。
戸外では、何十年もの間園庭で子どもたちを見守り続けているさくらの木に登ったり、落ち葉拾いをしたりと大きな木の周りで小さな子どもたちが遊ぶ光景をほほえましく感じました。10月に入園したばかりのさくら組のTくんは、何度も木に登り木の上から見える園庭のようすを新鮮な眼差しで見つめていました。
さて、楽しみにしていたお昼の時間になりました。みんなで「いっせーのーで」でパカッとお弁当のふたを開けました。「おいもが入っとる!」「ウィンナー!」と喜びの声。ごはんが猫の顔の形だったり、かわいらしいおにぎりが並んでいたり、子どもたちのために朝から愛情込めて作ってくださったんだなと思いました。Iくんのデザートには柿が入っていて、季節感も感じました。10月になって水曜日の家庭弁当を開く子ども達の笑顔を見るとホッとすると共に秋を感じます。
2020年9月15日 火曜日
今日は、赤コースの年中組と年少組が、屋外遊ぎ場へ遊びに行きました。先日、青コースが行った時に、工事で山に重機が入っていて、それに驚いたバッタなどの虫たちが園庭に移動してきて、子どもたちが歩くとおもしろいようにピョンピョン飛び跳ねていたと聞きました。しかし、今日はその姿が見えません。行き場を失った虫たちは、また新しい住処を見つけたのでしょうか。すると、さくら組のIくん、Kくん、Yくんが一匹の茶色い虫をじっと見つめていました。3人ともその虫を初めて見たようで、何かわからないので、少しビクビクしながら顔を近づけていました。教師が「コオロギだね」と、捕まえようと手を伸ばすと、ピョーン!と飛び跳ねました。「わあっ!」とびっくりしましたが、おもしろくなって追いかけ始めました。コソコソと地面を移動するコオロギがピタッと止まると、子どもたちが、コオロギに向かって手をたたいて動かそうとしており、その様子がほほえましくて見守っていました。朝晩ひんやりした風が吹き、虫とともに秋の訪れを感じます。
秋といえば、収穫の秋、様々な作物が実ります。ポンタ農園さんから、里芋を葉ごと頂き、テラスに展示しているのですが、親芋の周りにたくさんの小さな里芋がくっついています。古森先生が、「お母さんお芋が、子どもを抱っこしているね」と話すと、子どもたちは、里芋に対する親近感が一気にわいたようで、先生の背中にギュッと抱きついてお話を聞いていた子もいたそうです。じゃがいもの親芋は、役目を終えるとシワシワになってしまいますが、里芋のお母さんは、びくともしません。そんな違いにも気づかせ、夏野菜とは違う、秋冬野菜のパワーをこれから頂くことができます。子どもたちには、幼い時期に旬のものを食べ、野菜や果物が一番美味しい時に味わい、しっかりと栄養を摂って、成長してほしいと思います。園の手作り給食でも、子どもたちが食べる様子をよく見て改善しながら、幼児期に野菜そのものの味を感じられるようになればいいなと思います。
2020年7月13日 月曜日
先週の月曜日、トマトがカラスに食べられて大変なことになっているという出来事がありました。そこで、土曜日に全クラスのプランターを1か所に集め、ネットで囲いました。教師がカラスの目線であちこちから侵入できそうな所を探して、しっかりガードしました。そのおかげで、今日はどのクラスもたくさんの赤いトマトができ、トマトたちは、キラキラ輝きながら子ども達が来るのを待っていました。
ネットを外し、各クラスのトマトが観察できるようにすると、プランターを取り囲むように子ども達が集まりました。収穫して、その場で食べさせてあげたいと、古森先生のアドバイスで塩水を用意し、きれいに洗いました。次亜塩素酸水も塩からできたもので、消毒作用があることを教えていただきました。さくら組は、18個取れたので、1個を半分に切ることにしました。トマトを見せて、「これ何個?」と聞くと、「1こ!」半分に切って「これ何個?」と聞くと、「2こ!」と1つが2つに増えたことを喜んでいました。
「ゼリーみたい」「甘い」と言いながら、今まで食べず嫌いで口にしなかったAちゃんが、友達がおいしそうに食べるのを見て、自分から食べることができました。
後から収穫していたきりん組が、さくら組のトマトが3個残っているのを見つけました。あと3個あれば、きりん組の人数分になるということで、きりん組さんから「さくらさん、トマト3つください」とお願いされました。「いいよ」と応えると「ありがとう」と言われたのですが、次の言葉が出ないさくら組の子ども達に「どういたしまして」と古森先生がにこやかに助けてくださり、みんなが「どういたしまして!」と返しました。
お家では、お店でミニトマトを買うとたくさん入っているので、当たり前に一人1個食べていると思います。幼稚園では、苗から育てて、花が咲いて、緑色の実がなり、何日も何日も待って、やっと赤い実になったこと、雨や風が強いと実が落ちてしまったり、カラスに狙われて食べられたりするんだということを知りました。一人に1個ないときは、半分こにして分け合い、少ないクラスがあれば、多いクラスが分けてあげる。そんな経験を積み重ねることで、子ども達の中に助け合いの気持ちが育つといいなと思いました。
2020年6月15日 月曜日
先週火曜日、年少児が駐車場にひまわりの種をまきました。そこで今朝みんなで行ってみると、梅雨の雨と太陽の光を浴びて芽を出し、かわいらしい双葉になって並んでいました。それを見た子どもたちは、「はっぱになっとる~!」と驚きと喜びを表現していました。各クラスで育てているトマトも緑色の実が並び、「まだかなぁ」と赤くなるのが待ち遠しい様子でした。
さて、今日は「カレーパーティー」がありました。年長児が昨年の冬植えたたまねぎの苗とじゃがいもの種いもが「土・水・太陽」の力で大きくなり、先日全園児で収穫しました。今日のカレーには、そのたまねぎとじゃがいもを調理師さんが調理してくださって、おいしいカレーになりました。そして今日のカレーパーティーでは、古森先生が子どもたちが喜ぶ特別メニューを!と「ナン」を注文してくださったのです。お皿の上にはビヨーンと伸びた大きなナンとりんご、バナナ、イチゴとフルーツが並び、別のおわんにカレーをよそいました。せっかくの特別メニューです。盛り付けもていねいにして、子どもたちの食欲をそそります。配ぜんしながら「これなーんだ?」と聞くと「・・・」シーンと答えが返ってきません。でも食べ始めると、「白いやつまだいる!」と次々とおかわりの声。「ナンっていうんだよ」と伝えると「なん?」と不思議そうにつぶやきながらもモグモグとお口はとても忙しそうに動いていました。ちぎって、カレーにつけておわんを持って食べることも方法を伝えるときちんと守って食べることができていました。いつも給食でおかずをほとんど食べないさくら組のHちゃんは、大きなナンをあっという間にカレーにつけて食べました。お皿の上がピカピカになって、「今日はがんばったね!」と声をかけると、「やった!」とニコニコ笑顔になりました。こうして園の生活の中で、食べる楽しさを知り、好きなものが1つでも増えていくといいなあと思いました。
古森先生は、私たちに「知育・徳育・体育」と昔から言われているけれど、「食育」というのは、この3つすべての基盤になっていると教えてくださいました。「食育」は食べることだけでなく、食べ物として私たちの口に入るまでの過程を知ることも大切です。子どもたちの感覚が敏感な幼児期にたくさん楽しい経験をして、「食べること=生きること」大人になるまで心に刻んでいてほしいと思いました。
2020年5月26日 火曜日
どんよりとしたくもり空でしたが、子どもたちは今日も元気いっぱいに遊んでいました。朝は雨が降っていなかったので、子どもたちは戸外で遊んでいました。さくら組のHちゃんに「昨日、古森先生がお話ししてたトマトはどうなってるかな?」と声をかけると「見に行く!」とさくら組のトマトの方へ走って行きました。一緒に行ってみると、Hちゃんは「あ!先生トマト倒れてないよ!お花も咲いてる!みんなに教えてあげよう!」と次は友だちの方へ走って行きました。そして、Hちゃんは佐々木先生や他の友だちをたくさんつれてトマトの所へ戻ってきました。みんなでさくら組のトマトが無事に育って、お花が咲いていることを知ると、次は他のクラスのトマトのお花も見に行こうと順番にすみれ、ひまわり、たんぽぽ、うさぎ…と1つずつお花咲いているかな、虫に食べられていないかなと子どもたちはじっくり観察していきました。トマトを見ているとちゅうりっぷ組のH君が水やりをしていました。それを見てさくら組の子どもたちが「あと太陽さんもいるよ!」と日かげもよくないことを教えてくれました。「今日は天気が悪いから太陽さん出てきてくれないかもしれないね」と言うと「明日は晴れてトマトさん元気になるかな?」と本当にトマトのことを心配している答えが返ってきました。
「あ!いちごはどうなった!お花咲いてるかな!」とどこからか声が聞こえると、またみんなでいちごの方へ走って見に行きました。「見て見て!お花も1つだけあるよ!」とみんなで探していました。みどり色のいちごが多く、「まだ食べれなーい!先生見て!茶色のいちご(枯れかけている)もある!」と気づいたことをたくさん伝えてくれました。「どうして茶色のいちごは元気がなくなってるんだろうね?」と聞くと「お水と太陽が足りなかったんだ!水やりする!」と返ってきました。しかし、他の友だちが「雨降るからお水はいらないよ!」と教えてあげていて、子どもの中で考えがしっかりしていて改めてすごいなと感じることができました。また、いちごもみどり色では食べることができないことを理解していて、「トマトもいちごの色になったら食べれるね!」「みどりだと苦いよ!」と子ども同士で観察しながら話し合っていました。「トマトもいちごも赤くなるまでちゃんと待ってから収穫しようね」と言うと子どもたちはみんな楽しみになり「また見に来る!」と他の遊びに入って行きました。
そうしているうちに外で浸し染めをし始めたので、さくら組は部屋に入り、共同絵の具の使い方について話し、実際に使ってみました。「青の筆は青の部屋に返してあげてね」と声かけをしておくと、自分が使った筆の色を確認しながら戻していました。白い紙に自由に絵の具を使って描いていくと、絵の具の色がにじんで変化してきました。それに気づいた子どもが「先生ここには赤と青と黄色しかないのにむらさきやみどりがあるよ!」と教えてくれました。まだ絵の具が初めての子どもばかりなので、色を混ぜると違う色になることが不思議なんだなと感じました。上手に絵の具を使っていたので、さくら組も戸外の浸し染めに挑戦させていきたいと思います。
今日も1日子どもの「見て見て!」という声から子どもの目線の発見をたくさん知ることができました。また明日も子どもと一緒に楽しい発見をしていきたいです。
≪今日の給食≫
コメント (「分け合うっていいね!」 さくら組 佐々木 恵 はコメントを受け付けていません)