幼稚園の日記(ブログ)

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  2022年9月20日 火曜日

一昨日からの”過去に例を見ない“と言われるほどの台風が無事に過ぎ去り、ほっとしました。松山では大きな被害がなかったものの、各地でのニュースを見ると、改めて自然の力に圧倒されました。今朝、駐車場の竹が折れて倒れている様子を見て驚きました。

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三葉幼稚園の園庭にも台風が通った足跡が見られました。松葉があちらこちらに吹き飛ばされていたり、大きな桜の枝が折れていたり、風が強かったんだと子どもたちは口々に話していました。

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そして南側のぶらんこの下を見ると、山吹色の実がたくさん落ちています!銀杏です。あまりにもたくさん落ちているので子どもたちに見せてあげたいとその周りを教師が柵で囲みました。

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すると、柵の中にはぎりぎり入らない?少し入った辺りですみれ組のYくんが2本のスコップを、う~んと伸ばしながら何やら動かしていました。「工事中よ、工事中!」と言いながら銀杏を集めてくれていたのです。素手で触るとかぶれてしまうということを教師たちは度々子どもたちに指導をしていたので、それを覚えていたのでしょうか。銀杏の向こうのほうきや熊手が柵で取れないから一生懸命考えてこのスコップを使う案を思いついたのかなぁ?と感心しました。スコップですくいながら風が吹く度に次々ころんころんと落ちてくる銀杏に「また~!」と怒る姿があまりにかわいくて笑ってしまいました。

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年長児のもち米の稲は連休前に犬のすべり台やビッグボスで囲んでいたおかげで倒れることなく無事でした!「お米は大丈夫?」と確かめるように覗いていく年長児は安心した様子でした。

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「先生!見てみて!」と呼ばれて行ってみるときりん組のKちゃんとRちゃんが古森先生ときゃっきゃと楽しそうな様子・・・。台風の名残で時折吹くぴゅ~っと強い風が落ち葉を巻き上げくるくると追いかけっこをしていたのです!「葉っぱも運動会したいんかな?」「リレーしたいんよ、楽しいもん!」とKちゃんRちゃんと“風待ち”をしていると来た来た!強い風!!するとKちゃんRちゃんも一緒にきゃっきゃと走り出し、風と葉っぱと追いかけっこを楽しんでいました。ちゅうりっぷ組のTちゃんはその風の渦巻きの中に葉っぱを入れたくて何度も葉っぱを投げ入れようとするのですがひょいっと弾かれてしまいました。「へぇ~入れないんだ~」と教師たちは子どもにお勉強させていただきました。

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今日は年長児が卒園記念品の砥部焼の絵皿の絵付けをしました。休みの間に古森先生に借りていた絵皿を朝からテラスに飾っていたのを目ざとく見つけ、「うわ~かわいい!」と見ていた子どもたちは、「今からお皿に絵を描くよ」と伝えると「「やった~!!」」と大喜び!頭の中で何を描こうかな?とわくわくしている様子でした。

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会議室にあがり、4クラスで古森先生のお皿を見ながら話を聞きました。みんながおじいさんおばあさんになっても使えるほど丈夫なお皿であること、それを証明するかのように古森先生がお皿を床に転がしました!「きゃっ!」と驚く子どもたちでしたがお皿はもちろん割れません!そしてお皿の裏を見ると「H4.10」とサインしてあるものがありました。「このお皿を古森先生が描いた時、古森先生はもう三葉幼稚園の先生だったんだけど、みずほ先生はまだ4歳だったの。かおり先生は結婚したばっかりの時、みなほ先生とゆい先生とゆり先生はまだ生まれてませ~ん!」と言うと「えぇ~!」とびっくりしていました。平成元年の物や中には昭和61年の物等30年以上前のお皿もありました。大切に使っていたらずっと使えるんだよ(実際園長はこのお皿をいつも使っているそうです)、と教わり、益々絵付けが楽しみになりました。

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砥部町は昔々海の中に沈んでいた町だったそうです。鉄分を豊富に含んだ大きな石の粉を練って練って粘土にしてお皿ができあがると話してもらいました。絵付けに使う絵の具は2種類あって茶色い液と緑の液があります。でも、見本のお皿の絵は青色と緑色で描かれています。この茶色の絵の具は、釉薬という薬を付けて熱い熱い窯で何日も焼くと綺麗な青色に変わります。「魔法や~!」とうっとりした顔をしながら見ていました。

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早速絵付けを始めます!なんだか今年の子は大胆?!迷いなく筆を進め大きなモチーフをあっという間に描き上げます!「見てみて!」が止まりません!お花、猫、虫模様・・・一つとして同じものはありません!世界にたった一つのお皿です。子どもたちが描いた絵皿を大切に大切に運ぶ教師も「かわいい!」「素敵~!」「いいね~!!」と目じりが下がりっぱなしです。子どもたちの楽しい気持ちが絵に表れているようで私たちまで嬉しくなりました。秋の作品展でお披露目です!お楽しみに!!

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さて、先日、園内研修で学んだことが印象的だったので保護者の方にもお伝えしようと思います。乳幼児期の脳の発達と本園の遊びのお部屋の成り立ちについてです。35年程前、園長が三葉幼稚園に来た頃、ワークブックがあったり、ハーモニカを取り入れたりしていたのですがカリキュラムを改革して今の環境による遊び中心の保育に変えました。現代ほど預かり保育の子どもはいなかったものの、お母さんが仕事を終え、幼稚園から帰った夕方にピアノなどの習い事に行く子どもがとても多かったそうです。夕方ピアノのレッスンを受け、家に帰ってからお母さんと一緒に練習する生活…に子どもたちが疲れているのでは?と園長は思いました。と、いうのも、その子たちが午前中、目がとろ~んとして眠たそうで、力なく遊びこめない様子が見られたからです。不思議に思った園長が保護者に話を聞いてみると、夜なかなか寝付けず、ぐっすり眠れていないことがわかりました。夜寝る数時間前の過ごし方にしては音の刺激が強すぎて、良かれと思ってしていることが逆効果になってしまうのでは?それならもっと早い時間帯に幼稚園でお稽古事ができれば子どもの負担も少なく、保護者も安心していろんなことにチャレンジできるのでは?と様々な分野のプロの先生たちに直接交渉して、遊びのお部屋を始めたそうです。

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乳幼児期の脳の発達は著しく、改めて言うこともなくご存知だとは思いますが、時期によって何が大切で何が効果的であるか考えたことはありますか?乳幼児期は五感を通じて受けた刺激によって脳は発達します。心地よい音、優しい色、匂い、味、やわらかい手触り、受け身的だった刺激が発達に応じて徐々に能動的に、より主体的な物になっていくのです。刺激を受けてばかりでは脳の発達は促されません。そこで大事になってくるのが睡眠です。夜ぐっすり眠ることが子どもの脳の発達を促すことになり、翌日の活動の力になり、たっぷり遊べたことで、またよく眠れるようになる。良いサイクルを生み出すのです。手先を動かして体を使って頭を使ってたっぷり遊ぶことが子どもの脳の刺激になり、知識の種を蓄え、明るい人間関係を築く基礎になります。子どもの人生を豊かにする「非認知能力」を高めることもできるのです。たっぷり遊んでたっぷり食べてぐっすり眠る。基本的な生活習慣を今一度見直し、大切にしてみませんか?そのために教師として私たちにできること、園内の環境を整え、子どもと楽しい遊びを通して様々な気持ちを共有し、受け止め、認め合い、保育に真剣に取り組んでいきたいと思います。この園長の幼児教育の基本は人と学習の基礎を育てる役割だという思いを聞かされ、三葉の子どもたちの、あの笑顔と元気が賢い子どもを育てているのだと改めて自信と喜びを感じた一日でした。

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