幼稚園の日記(ブログ)

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2011年4月30日 土曜日

 お外大好きな子どもたちは、「そろそろお外へ行けるかな」と生活の流れのなかでその時が感覚的に分かるようになってきました。その時間になると、靴下と帽子を持ってくるのが早いこと、仕度ができるとトントンと走って靴を持って出口までやってきます。

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 月曜日のことです。いつもは三輪車を目指して直行する1歳9ヶ月のRくん。この日も走って行きましたが、あいにく一台も残っていません。がっかりしているRくんに保育士が「探しに行こう」と手を取りました。「あった!!」 ところが見つけたと思うとお友だちに先をこされてしまいました。今度はあっちと見つけていくと大きくて足が届きません。しかし、思い切り力を出して上って乗ることができました。後ろから押してあげると「おおお」とニコニコ。願いが叶ったのです。そして、運動場の真ん中でボール入れをしている友だちのところまで行くと今度はボール入れを楽しんでいた2歳4ヶ月のSくんが何も言わずにRくんの三輪車を押し始めたのです。嬉しそうなRくん、Sくんも何とも言えない表情でした。こんな光景を見た保育士は思わず拍手です。優しいRくんの行為がまた、次の優しさに繋がっていくのです。

 また、前から興味があったままごとコーナーで包丁を使って野菜を切ってみたかった1歳7ヶ月のAちゃんは、したいのだけれど少し恥ずかしくて手が出せません。そこへ、Bくんがやってきました。Bくんも初めてです。まな板の上にはキュウリが半分置かれていました。Bくんは包丁を持つと早速切ろうとします。そこで保育士が「猫の手にしよう。」と言いながら手を添えました。横でAちゃんもじっと見ています。切れました、切れました、その度にAちゃんは手を叩いてくれます。Bくんは調子が出てきて今度は大根に挑戦です。硬い様子・・・。どうするのかな?すると、隣で切っていた幼稚園児の3歳児のUくんが包丁の背に手を置いて「押さえるんよ。」とアドバイス!上手く切ることができました。器に盛ってBくんとAちゃんと保育士と三人で「いただきます」・・・。とってもおいしいサラダでした。

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 このように幼稚園では異年齢とのかかわりのなかで、子ども同士が影響しあい、刺激をし合いながら成長していく姿をたくさん見ることができます。子どもの見て、真似て、試して、自らが学んでいく力。子どもの力ってすばらしいですね。

 水曜日のことです。お部屋に使用していない洗面台が壁側にあります。丁度、玩具のロッカーの横で鏡もついており気になって仕方のない様子のCちゃん。立って胸位の位置。どうしても上がってみたかったのでしょう。こん身の力を振り絞って踏み台もなく、とうとう上がったのです。その中にちょこんと座ってニタッ。鏡に映った満足の笑みは最高でした。「すごい。よく上がれたね。」保育士も思わず褒め言葉。そしてやんわりと「危ないから上がるの止めとこうね。」と諭すことも忘れません。

 子どもは、してはいけないことや言ってはいけないことなどをしてみようとするものです。何でもがむしゃらにやってみて経験して、危険も楽しさも分かる。これが神様が1歳?2歳児に与えられた特権です。先ずは、気持ちを受け止めて一つ一つ丁寧に「?だからいけないのよ。」と大人が教えて身についていくものではないでしょうか。今日はできても明日はできなかったり、昨日はできなかったのに三日後にはできるようになっていたり、子どもは色々な表情や姿を見せるのものですね。そしてね危険を伴うときにはきちんと叱ることも大事だと思います。

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 木曜日の朝、道路側の窓から朝日が差し込んできました。早く登園してきていたRくん。Mくんは玩具で遊んでいました。鼓膜の切開をして気分のすぐれないAちゃん(1歳10ヶ月)は二人をじっと見ていました。そこで、保育士が畳の上に映っている熊の絵を指差して、「あ、くまちゃんが遊びにきてるよ。」と言うと、三人は走ってやって来ました。ステンドグラスのようにピンクとグリーンの洋服を着た熊の影が畳に映っていたのです。

 さっそく、RくんとMくんはつかもうとして手を伸ばします。自分の頭で見えなくなっしまいます。「あれ・・・」その姿はなんとも微笑ましく自然の不思議を感じた三人でした。それから、言うまでもなくAちゃんの気分もよくなり、しばらくワイワイと影を楽しみました。子どもたちは、たくさんの経験をしながら美しいもの、不思議なものは感じ溜め込んでいくのです。

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 一時預かりでは、久しぶりの子、初めての子、少し調子の悪い子など不安も見られます。そんな時も言葉はなくてもそっと、玩具を差し出したりしてくれる優しい子がたくさんです。1歳?2歳児の育ちの姿を見守りながら、この時期の子どもたちとかかわる私たち保育士のあり方を考えされられる毎日です。これからも、成長を見守り、援助したいと思います。

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